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- 日本へ帰国後のアメリカの住宅の売却 | 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 日本へ帰国後のアメリカの住宅の売却 2000年5月5日 日本へ帰国後のアメリカの住宅の売却 Q 日本へ帰国することになり、それまで住んでいたアメリカの住宅を売ることになりました。すぐに買い手が決まらなかっため、住宅売却の契約締結(クロージング)は、アメリカを離れた後になりました。この場合でも、「主たる住宅売却の免税」扱いを受けられますか。 A アメリカの住宅を処分して得た売却益は、売却前5年間のうち2年間以上、納税者が所有していて、しかも主たる住居として実際に住んでいた場合に限って、夫婦合算申告で50万ドル、夫婦個別申告でそれぞれ25万ドル、または独身で25万ドルまでが非課税扱いとなります。 この非課税扱いは、2年間の所有条件と居住条件さえ満たしていれば、納税者のビザのステータスや、米国に住んでいるかどうかは関係ありません。例えば、グリーンカードを持っていない日本人が、日本に帰国後、アメリカの持ち家を売る場合、また、グリーンカード保持者がアメリカ国外在住中に住居を売る場合、さらには、日本からアメリカへ転勤してきた人が、渡米後、日本の家を売る場合にも適用されます。 ご質問のケースのように、日本に帰国後、つまりアメリカの非居住者になってからアメリカの住宅を売却する場合に、避けることができない税金の問題が1つあります。それは、前号(4月20日号)で取り上げた、売却売上に対してかかる10%の源泉徴収税です。 ただし、この源泉徴収税がかからないケースもあります。住宅の売却価格が30万ドル以下で、しかも買い手側が日常的に住む家として購入する場合です。また、売却価格が取得時の価格よりも少なく譲渡損失となる場合、あるいは何らかの理由で無税となる場合、IRSに申請して源泉徴収回避の特別許可が下りれば、源泉徴収はされません。 これ以外のケースでは、売り手が非居住外国人であれば、たとえ2年間の所有・居住条件を満たしていても、源泉徴収税がかかります。源泉徴収された場合は、売却した翌年の4月15日までに確定申告し、還付請求することになります(詳しくは前号参照)。 ● 売却益の計算 冒頭に説明した住居の売却益とは、売却価格から、その住居の取得時の金額(取得費)、改築費、売るためにかかった費用(譲渡費用)を差し引いた金額です。 【売却価格】 売却価格の中に、不動産以外のもの(パーソナル・プロパティー動産)の価格が含まれていると課税対象となりますので、除外する必要があります。動産とは、家具、カーテン、芝刈り機のように、永久付属物ではなく、家と切り離しても値段がつけられるものを指します。 【取得費】 取得費は、住宅購入時の価格に、当時かかったクロージング費用を加えた金額です。取得費に含まれるクロージング費用とは、次のものを差します。 (1) 弁護士費用(Legal fees) (2) 不動産権利要約書費用 (Abstract fees) (3) 登記料(Recording fees) (4) 鑑定料(Survey fees) (5) 譲渡税(Transfer taxes) (6) 所有権利保険料(Owner''s title insurance) (7) 水道光熱サービス加入費用 (8) 買い手が負担した売り手諸費用(売り手の固定資産税、延滞利息、抵当証書料、修繕費、不動産周旋コミッションなど) (9) その他 クロージング費用のうち取得費に含まれないものもあります。 (1) 火災保険料、損害保険料 (2) 住宅ローン(Mortgage loan)取得にかかわる諸費用、モーゲージ保険料、ローン引受料、信用調査料、貸付鑑定料など (3) クロージング日以前に入居したため請求された不動産賃貸料、水道光熱費、不動産管理費など 【譲渡費用】譲渡費用としては、次のものが考えられます。 (1) 不動産周旋コミッション (2) 弁護士費用 (3) 宣伝料 (4) その他 なお、住居の売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた結果、損金が発生しても、給与や利子・配当などその他の所得との損益通算による控除は認められません。 住居の一部分だけ、または一定期間だけ、個人居住と、ビジネスや賃貸の両方の目的に使用していた場合は、取り扱いが異なります。 KPMG 特別顧問、米国公認会計士 大島襄 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 米国不動産譲渡にかかる源泉徴収税| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 米国不動産譲渡にかかる源泉徴収税 2019年11月5日 米国不動産譲渡にかかる源泉徴収税 非居住外国人や外国法人が米国内に所有していた不動産を売却する際、買い手(購入者)は不動産売却価格の15%相当分を源泉徴収税として売値から差し引いて、IRS(内国歳入庁)へ納付する義務があります。グリーンカード以外のビザで米国に滞在し住居を購入して住んでいた日本人が日本へ帰国後その住居を売った場合や、日本から直接投資の形で米国内に所有していた不動産を外国人が売却した場合に課せられる連邦税がこの15%源泉徴収税です。州によっては連邦税に加えて、不動産売却益にかかる州税の予定納税が課せられる場合もあります。 売却価格が取得費(購入価格)よりも低いため売却損になることがわかっていても、売り手がIRSから源泉税の免除を認可する証明書の発行を受けない限り、15%源泉徴収税を回避することはできません。源泉税免除の証明書の発行を受けるためには、事前に申請書フォーム8288-Bと免除の根拠を示す書類をIRSに提出する必要があります。 15%源泉徴収税は最終的な税金ではなく、売り手は後日確定申告書フォーム1040NR (法人はフォーム1120F) を提出して、税金の清算をする義務があります。確定申告書に譲渡損益計算書と源泉徴収票フォーム8288-Aを添付して、税金の還付を受けるか、あるいは、追加の支払いをすることになります。 米国公認会計士 大島襄 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 1対1対応の原則とファイリングの重要性 | 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 会計相談室 < 前の記事 次の記事 > 1対1対応の原則とファイリングの重要性 2012年10月8日 鬣(たてがみ)は譲謙に聞いた。「譲矢先生、報酬の件は片がついた。具体的な話にいきましょう。」譲謙は、「それではこれから御社に伺って、実際の会計帳簿を見せてもらいませんか?」と尋ね、鬣の会社へ一緒に向かった。ここは鬣の会社。恵も不安そうに経理の席についている。「どうですか?うちの会社のどこが具体的に悪いと思いますか?」譲謙は、まず鬣の会社のデータを見た。会計ソフトウエア(会計帳簿)はアメリカの中小企業で最も人気のあるソフトを使用している。それから、譲謙はファイルキャビネットの中のいくつかのファイルを取り出してから話し出した。「そうですね、まず、月次損益ですが、粗利益(売上総利益)率の変動具合、月次の経費のぶれの大きさからすると会計組織の中身が1対1になっていないようですね。それからキャッシュバランスが1か月分の経費分しかないことや未処分利益金(過去の利益の総額から配当を差し引いた金額)との関係からして、あるべきキャッシュが少なすぎるように見えます。たぶん、過去に正確な損益計算ができていなかった可能性もありますね。このような状況では、会計帳簿から出てくる数字が正しいかどうかも核心がもてないし、それを使って経営判断をすることにも疑問が残ります。」「譲矢先生、それはどうゆうことですか?全然わからないので、もっとわかりやすく教えてくれませんか?」恵が言った。 「粗利益率ですが、月次で大きくぶれています。ある月は50%で、ある月は5%この月などはマイナスになっています。経費ですが、この保険料をみてください。ある月は$10Kで、ある月は$5K、この月は$0です。これらの事実関係が言えることは、売上げやコストまたは経費が、発生したときに正確に記帳されていないことが予測されます。」「これを直すためにはどうしたらよいのですか?」「それは、お金やモノ、サービスが動いたら、必ず記帳をするという1対1対応の原則を例外なく貫くことです。」「そういえば、帳簿へのインプットは同じベンダーはまとめて入れていたり、購入日なんて全く考えずにインプットしていたわ。」 「さらにファイルキャビネットですが、ファイルにまず名前がついていません。ファイル自身もアルファベット順で並べられておらず、会計帳簿のインプットと簡単に合わせることができない。ファイリング自体にも1対1ができていません。ファイリングでは、名前を最初にファイルにつけ、アルファベット順に並べ、同じものを同じ場所へ置くと言うルールを確立する必要があります。」 <解説>多くの企業では、1対1対応の原則ができていません。1対1の原則ができていなければ、企業の成績は歪んでしまい経営者は企業の実態を把握できなくなります。逆に1対1を徹底すれば、企業の不正もなくなります。なお、軽視されがちですがファイリングは会計組織では大変重要です。 米国公認会計士齊藤事務所 ( www.saitollp.com , info@saitollp.com ):齊藤幸喜 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- アメリカの遺産税と日本の相続税| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > アメリカの遺産税と日本の相続税 2007年8月5日 質問: アメリカ在住の日本人でグリーンカード保持者です。日本で父親が亡くなり、不動産(日本)、銀行預金(日本、アメリカ)などの遺産を日本の母と私とで相続することになりました。日本で相続税を支払うことはわかりますが、アメリカでも税金がかかるのでしょうか? 答え: 日本で父親が亡くなり、米国に住んでいる子(法定相続人)が遺産を相続する際、日本の相続税のほかに米国の遺産税(Estate Tax)も課税されるかという疑問が生じます。その答えは、相続財産がどこにあるか、どんな種類の財産であるかによります。米国内にある一定の財産だけが連邦遺産税の対象となります。また、遺産に課される税金は遺産税あるいは相続税だけであり、所得税を心配する必要はありません。以下、日本から遺産を受け取る米国在住の相続人が、居住外国人である場合と、米国国籍保持者である場合とを検討します。 ●相続人が居住外国人である場合 ★連邦遺産税 連邦遺産税法上、父親(被相続人)の居住者・非居住者の別が課税範囲を決定します。この場合の居住者・非居住者の判断は、米国滞在日数の客観的基準による所得税の定義とは異なり、グリーンカードは居住外国人、グリーンカード以外の日本人は非居住外国人となります。また、生存配偶者や子(相続人)の居住者・非居住者の別や国籍は課税範囲の決定に無関係です。それは相続人が納税義務者となる日本の相続税と異なり、連邦遺産税では父親(被相続人、実際にはその執行代理人)が納税義務者となるためです。 ★ 父親が連邦遺産税法上の居住外国人であれば、日米両国のすべての財産が連邦遺産税の課税対象となります。父親は非居住外国人であるため、課税対象となる遺産は一定の米国国内財産だけに限られます。一定の米国国内財産とは、不動産、その他の有形資産(家具、車、宝石等)、そして米国法人発行の株式、米国債券を指します。非居住外国人名義の米国銀行預金、外国株式、外国債券は、連邦遺産税法上非課税です。米国に遺したのは父親名義の銀行預金口座だけであり、他のすべての相続財産は日本にある場合、米国では連邦遺産税も所得税も発生せず、日本の相続税だけが課されます。 連邦遺産税の計算は、課税財産から基礎控除を差し引いた金額に税率を掛け合わせて行います。基礎控除は一律に認められる非課税枠のことですが、非居住外国人と米国市民・居住外国人とでは金額が異なります。非居住外国人の基礎控除は6万ドルです。米国市民・居住外国人の基礎控除は、2005年150万ドル、2006年~2008年200万ドル、2009年350万ドルです。連邦遺産税の税率は18%から47%(2005年)までの累進税率であり、最高税率は2006年46%、2007年45%に下がります。納税・申告期限は被相続人の死亡後9ヵ月です。詳しくは連邦フォーム706-NA(U.S. Estate Tax Return)を参照してください。 相続財産の所在する州によっては、州遺産税が課される場合もあります。 ★日本の相続税 日本では相続人である生存配偶者や子が相続税の納税義務者となります。日本在住の日本人の親が死亡した場合、相続人の国籍が相続税の課税範囲を決定します。相続人が日本国籍を有する場合、日本居住者、海外居住者とも、被相続人(父親)が遺した財産の所在地にかかわりなく、日本と外国のすべての相続財産が課税対象となります。日本の相続税の税率は10%から50%までの累進税率(2005年)であり、申告期限は死亡後10カ月以内です。日本国外にある父親名義の財産に外国の相続税が課された場合、その財産が日本で課税される相続財産に含められるため二重課税になります。その場合には、外国税額控除の適用により二重課税の一部または全部の回避が達成されます。 ●相続人が米国市民の場合 ★連邦遺産税 米国国籍保持者が受け取る日本の父親からの相続財産に対して連邦遺産税が課されるのは、米国内の財産の種類が、不動産、その他の有形資産(家具、車、宝石等)、米国株式、米国債券である場合です。父親(非居住外国人)名義の銀行預金、外国株式、外国債券は、連邦遺産税の対象外であり税金はかかりません。 ★日本の相続税 相続人が米国国籍保持者の場合は、被相続人(父親)が遺した財産のうち、日本にある相続財産だけが日本の相続税の課税対象となり、外国(米国)にある財産は非課税となります。米国内財産が日本の相続税の課税対象となるグリーンカード保持者(日本国籍・居住外国人)と比べて米国国籍保持者は著しく有利となります。 * * * * * * * * * * * * * 米国には父親名義の銀行預金口座があり、他のすべての相続財産は日本にある場合、米国にいる相続人の居住者・非居住者の別や国籍に関係なく日本の相続税だけが課され、米国では連邦遺産税も所得税も生じません。その銀行預金を相続人がすぐに引き出せるかどうかは銀行次第です。相続税税引後の相続財産を日本から送金の形で米国の銀行口座に入金したとしても、その送金には税金は一切かかりません。 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- PPP Loan 2回目の募集| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 会計相談室 < 前の記事 次の記事 > PPP Loan 2回目の募集 2021年1月29日 PPP Loan 2回目の募集 譲謙(ゆずけん)さん、 2 回目の PPP Loan の募集が始まったそうじゃが、また、借入金補助が受けられるのかのう?」 会社経営者の鬣(たてがみ)は、おもむろに会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称、譲謙)に聞いた。 「そうですね。今回は 2020 年の売上が 2019 年に比べて 25 %以上落ちていることが、条件のようです。」 「昨年はコロナの影響で前半で大幅に売り上げが落ちたが、後半でがんばったので年間トータルでは 25 %も落ちなかったな。」 「ちょっとお待ちください、 25 %以上の減少は、どの四半期で前年同期と比較してもらっても結構です。」 「ええええ、それならもらえるぞ。」 「ところで、今回はいくらもらえるんじゃ?前回と同じ、給与の 2.5 倍か?」 「そうです。 2019 年の平均給与か 2020 年の平均給与の 2.5 倍です。最高で 2 ミリオンドルです。グループ企業では 4 ミリオンドルです。レストランなどの飲食業やホテル業は 3.5 倍となっています。」 「どちらの年でもよいのか?」 「そうです。」 「それなら、給与支給額の多い 2020 年を使おう。」 「ほかに条件はあるか?」 「 300 人以上の従業員がいる会社はだめです。宿泊やフードサービスは場所ごとに 300 人を超えているかどうかで判定されます。さらに 1 回目の PPP ローンが 2 回目のローンの支給されるまでに目的に沿って全額使われていることが必要です」 「申し込みにはどのような資料が必要なんじゃ?」 「申し込み受付銀行や事業形態によって異なります。」 「じゃ、まず個人事業主は何が必要じゃ?」 「個人事業主では、 Form 1040 Schedule C (個人事業申告書)または Schedule F (農業所得申告書)です。従業員のいない場合には、 Form 1099 (支払調書)、請求書、銀行ステートメントや帳簿など自営業者であることを証明するもの。 2020 年 2 月 15 日に事業を行っていたことを証明するもの。従業員がいたら、 Form 941 (連邦給与税申告書)州給与税申告書、 2020 年の 2 月 15 日に給与を支払っていたことを証明する書類です」 「パートナーシップはどうじゃ?」 「 Form 1065 (パートナーシップ申告書)や年金や健康保険の支払の証明のほかは個人事業主とほぼ同じです。」 「株式会社はどうじゃ?」 「 Form 1120 (法人税申告書)のほかはパートナーシップとほぼ同じです。」 「非営利法人どうかのう?」 「 Form990 (非営利法人申告書)のほかは個人事業主とほぼ同じです。」 「 2 度目のローンでのみ必要な書類はあるか?」 「 2020 年の売上が 2019 年より 25 %以上下がったことを示す書類です。ただ、ローン申請額が 150,000 ドル以下であれば、ローン申請時にこの書類は必要ありません。借入金の免除申請までに入手すればよいです。」 「よし、さっそく申し込もう。ありがとう」 米国公認会計士齊藤事務所 ( www.saitollp.com , info@saitollp.com ) :齊藤幸喜 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- PPP Loan 返済免除2| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 会計相談室 < 前の記事 次の記事 > PPP Loan 返済免除2 2020年6月29日 「譲謙(ゆずけん)さん、先月は借入金返済の免除方法を教えてもらってありがとう。大変助かった。」会社経営者の鬣(たてがみ)は会計コンサルの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち;通称、譲謙)に言った。「よかったです。ところが、鬣さん、その後6月5日に新しい法案が成立しまして、大幅に免除の要件が緩和されました」「何じゃとそれはよかった。早く教えてくれ」「まず、①免除の条件は当初の法律ではローンを受領してから8週間以内に給与関係とその他の許可された費用に使用されることでしたが、24週間以内か2020年12月31日のどちらか早い日までになりました。②給与関連費用については75%以上が使用されなければなりませんでしたが、60%以上でよくなりました。また、③従業員数のレベルと給与レベルについても特例が加えられ、2020年2月15日~2020年4月26日の平均フルタイムの従業員数と給与が2020年6月30日までに回復することができれば、免除額の減額はなしでしたが、期限が2020年12月31日までに延期されました。④レイオフした従業員から再雇用が拒否された場合も文書でオファーを出した場合や同等の人を同じポジションに雇用できなかったことを書面で残せば、免除額の減額はなくなりました。⑤ローンの返済期限が2年から5年に延長されました。⑥返済の開始時期の猶予期間が6か月間からローンの返済免除額が確定する日まで延期されました。⑦PPP Loanの免除を受けた企業には社会保障税(SS Tax)の雇用者負担分の支払い猶予が認められていませんでしたが、これが認められることになりました。この法律を適用すると繰り延べた税金(Employer’s SS Tax)は2021年12月31日までに50%支払い、2022年12月31日までに残りの50%を支払えばよいことになります。⑧最後にPPPの申込期限が2020年6月30日から2020年12月31日まで伸びました。また、PPP Loanをすでに使い果たした中小企業のために新しく2回目のPPP Loanも申し込めるようにする法案が出されているようです。100名未満の企業で50%以上の売上が下がっている中小企業で給与支払いとその他の経費に資金が必要な企業への支援のためだそうです」「わしもPPPをすぐに借りられて本当に助かった。また、わしの経営者仲間も同じじゃ、PPP Loanを二回目もくれるなんて、何と素晴らしい国なんだ、アメリカは!」「私も全く同感です」 米国公認会計士齊藤事務所 ( www.saitollp.com , info@saitollp.com ):齊藤幸喜 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- パートナーシップの税務| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > パートナーシップの税務 2020年5月12日 パートナーシップの税務 会社の利益に直接税率をかけあわせて税金を計算し、税金の徴収をする方式のことを「団体課税」と呼びます。それに対して株主・投資家の持ち分利益をパススルーによって各投資家に振り分けて課税する方式のことを「構成員課税」と称します。パートナーシップ、Sコープ、LLCが、パススルー・エンティティーの典型的な形態の組織です。株式会社の株主に相当するのが、パートナーシップのパートナーです。両者の違いは税金上の取り扱いです。株式会社は、毎年会社の純利益に法人所得税が課せられます。株主は配当を受け取った時だけ課税されます。パートナーシップの場合は、パートナーの持ち分利益に課せられる税金をパートナーが受け持ちます。 パートナーシップの長所は、複数の能力、判断、技能を結合できること、自営業と比べてより多額の資本を得られること、一般法人と比べて組織段階での課税を受けず、個人パートナー段階のみの課税を受けることです。 短所は、特にジェネラル・パートナーが、債務やリスクに対して無限責任を負うことです。 米国公認会計士 大島㐮 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 日本の相続18 遺留分制度| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 日本の相続18 遺留分制度 2020年11月16日 日本の相続18 遺留分制度 遺留分制度は、相続人に最低限相続を保証する制度です。故人の最後の意思を尊重して、遺言通りに財産を振り分けるのは望ましいことです。しかし、自由に処分できるからといって、例えば遺族(相続人)には歓迎できない他人へ、財産のすべてを渡すという遺言が残された場合、妻子は自宅を明け渡してすべての財産をその受遺者に与えなければならず、相続権があるのに遺産を相続できないという結果を招きます。故人の自由な意思を無制限に認めると、非人道的とさえ言えることが世の中にまかり通ってしまいます。 そこで民法は、遺族の生活保証や財産形成への貢献を考慮して、財産が自由に処分されることによって遺族の生活が脅かされることがないよう、相続権の最低限の保護を定めた「遺留分制度」を設けています。遺留分は、故人が自分の意思で処分できない財産の割合であり、故人の財産処分の自由と相続人の保護の調和を図り、一定割合の相続財産を相続人に留保することにより、遺言に対してある程度の制限を加える効果があります。遺留分がある相続人は、侵害された遺留分について減殺請求という形で返還を求めることができます。 米国公認会計士 大島襄 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 人的控除の撤廃と扶養税額控除の拡大| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 人的控除の撤廃と扶養税額控除の拡大 2018年4月9日 人的控除の撤廃と扶養税額控除の拡大 従来人的控除・扶養控除は、納税者本人、配偶者、扶養家族各1人について一定金額(2017年は4050ドル)の所得控除が認められてきましたが、トランプ税制によって当制度は撤廃されました。扶養控除と並行して存在してきた扶養税額控除は、継続して適用となります。17歳未満の扶養家族1人につき1000ドルが認められていた扶養税額控除は、2018年以降2000ドルに増額となります。当税額控除が適用される扶養家族とは、親族・世帯員条件、扶養条件、総所得条件、市民・居住者条件などの条件を同時に満たした17歳未満(16歳以下)の子供のことです。 税額控除は2017年までは、調整総所得が夫婦合算申告では11万ドル、独身は7万5000ドルを超えると、段階的削減の対象となっていました。所得限度額は2018年以降、夫婦合算申告40万ドル、独身20万ドルに増額となります。このように所得制限が大幅に緩和され、より多くの納税者が扶養税額控除を受けられるようになります。一定条件を満たせば、2000ドルの税額控除のうち1400ドルが還付可能な金額となります。それは1400ドルの税金が戻ってくることを意味します。 米国公認会計士 大島襄 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 税金のペナルティー| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 税金のペナルティー 2002年4月5日 Q:4月15日の提出期限に間に合うように申告書「フォーム1040」を提出し、税金も支払いました。ところが後日、IRSからペナルティー請求の通知書が送られてきました。どのような時にペナルティーが課されますか。 A:申告の計算の結果、税金が還付されることになった場合は、ペナルティーが発生することはありません。ペナルティーが発生するのは、追加納税することになった人のうち、申告書提出と税金納付が期限に間に合わなかった場合や、納付金額が一定の条件を満たさなかった場合です。 基本的なペナルティーには次の三つがあります。 ●遅延申告加算税 遅延申告加算税は、申告書の提出が遅れた場合に加算されるペナルティーです。1カ月遅れるごとに(端数は1日でも1カ月に繰り上げられる)確定税額の5%、最高5カ月分で25%までが加算されます。 申告書の提出は、「当日消印有効」が原則です。申告書の送付には、郵便のほか、DHL、AIRBORNE、UPS、FEDEXなどが利用できます。今年(01年度分)の申告では、4月15日以前の消印ならば有効です。 期限前に申告書を発送したことを示す送付状の控えやレシートは、大切に保管しておく必要があります。期限内に送ったにもかかわらず提出が遅れたという理由でペナルティーの通知が送られてきた場合は、それらをを提出して説明すれば、遅延申告加算税を撤回してもらえます。 次に説明する延滞納付加算税と予納過少納付加算税は、税金納付のタイミングと額に関するペナルティーです。 ●延滞納付加算税 延滞納付加算税は、申告書提出時に納付すべきだった税金が支払われなかった場合、実際に納付されるまでの間、1カ月(端数は繰り上げ)につき延滞税額の0・5%、最高50カ月分で25%までが加算されます。 申告書の提出が「当日消印有効」であるのに対して、税金納付は原則として「期日必着」です。従って、確定申告の計算をした結果、追加納税が必要と分かった場合は、申告書と納付税金の両方が期限までにIRSに到着するように送らなければなりません。また、先方が受け取ったことを証明する「配達証明書(Return Reciept)」が手元に戻ってくる送付方法を選ぶことが大事です。 納付が遅れる金額が確定税額の10%未満である場合は、申告書類提出期限の自動延長申請書「フォーム4868」を提出することによって、このペナルティーを回避することができます。ただしこの場合も、通常の延滞利息は加算されます。延滞利息の利率は、短期フェデラルレート+3%で、四半期ごとに更新されます。2002年第2四半期の利率は、年率6%です。 ●予納過少納付加算税 予納過少納付加算税は、源泉徴収税および予定納税によりすでに支払った金額が、確定税額の90%未満であった場合、不足分に対して延滞利息の利率(2002年第1四半期現在6%)で課されるペナルティーです。 確定申告の計算をした結果、それまでに源泉徴収や予定納税で支払っていた税金が確定税額の90%に満たなかったという事態を避けるには、まず、給与所得を得ている人は、給与に対して十分な源泉徴収が行われているかどうかを確認する必要があります。源泉徴収が不十分な場合は、「フォームW―4」に必要事項を記入して会社に提出することにより、源泉徴収額が調整されます。来年4月の申告に向けて、2002年度分の源泉徴収額を調整するには、早めにこの手続きが必要です。 自営業・自由業、また会社員でもレント収入やそのほかの一時所得、臨時所得がある場合、銀行預金、株式やミューチュアルファンドの投資、不動産投資などによって利子、配当、キャピタルゲインがある場合は、年4回に分けて予定納税することで、予納過少納付加算税は回避できます。 前年度と比べて所得が大幅に増加した場合や、上半期に比べて下半期にかなり多額の収入を得た場合などは、源泉徴収や予定納税額が足りずにこのペナルティーの対象となる確率が高いので要注意です。申告書作成の段階で、このペナルティーを回避する計算をすることも可能です。 税金のペナルティーとしてこのほかに、過少申告加算税、重過失加算税などがあります。 米国公認会計士 大島 襄会計士事務所所長 大島襄 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 2023年6月13日 「米国法人税申告」セミナー開催| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics セミナー案内 < 前の記事 次の記事 > 2023年6月13日 「米国法人税申告」セミナー開催 2023年5月26日 Saito LLPマネージャー陳 博 Bo Chen CPAが最近の法人税の動向、変更点を詳しく解説します。 【日時】 米国東海岸時間 2023年6月13日( 火 曜日) 9PM EST 日本時間 2023年6月14日(水曜日)10AM 【トピックス】米国法人税申告の最新動向、変更点 【会場 】Go To Webinar でのオンライン開催となります。お申込み後リンクをお送りいたします。 【参加費 】 無料 【お申込•お問合せ】 Masanori Nakano (中野正典) Email: mnakano@saitollp.com Tel: 212-599-4600 下記情報をご記入のうえ、メールにてお申し込みください。 ①お名前、②会社名、③住所、④部署•お役職、⑤参加ご希望人数(複数で参加される場合のみ)、⑥Eメールアドレス 講師紹介: 陳 博 Bo Chen Saito LLPマネージャー。公認会計士(米国)。WA州公認会計士資格(2014)、NY州公認会計士資格(2020)。中国天津大学工学部卒。東京大学大学院修了。カーネギーメロン大学(CMU)MBA取得。 日本で大手建機メーカにて勤務後、2017年に入社。会計監査、税務申告書作成、企業評価、その他会計・税務関連アドバイザリー・サービスに従事。 米国公認会計士 齊藤事務所(Saito LLP) ニューヨーク事務所を2001年に設立後、ロサンゼルス事務所、ハワイ事務所、さらに東京渋谷にも事務所を構えグローバル大企業から中小企業まで対応できる体制を整えております。2023年5月現在スタッフ18名(内米国公認会計士4名)、職員3名、合計21名所属。 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 離婚手当の税制取扱いの変更| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 離婚手当の税制取扱いの変更 2018年4月2日 離婚手当の税制取扱いの変更 Alimony (離婚手当) は従前から、税金計算上支払者に所得控除が認められ、受取人は所得として申告して所得税を支払わなければなりませんでした。2019年1月1日以降に下された裁判所の裁定に基づく離婚手当、または、同日以降に成立した文書契約に基づく離婚手当は、支払者は支払金額の所得控除が認められず、受取人は所得として申告して税金を支払う必要がなくなります。2018年12月31日までに下された裁定・文書契約に基づく離婚手当は、2019年以降も従来通り控除と課税の税金上の取扱いを継続します。 離婚手当は、現物ではなく現金での支払いであること、子女養育費の支払ではないこと、二人が同一住居に住んでいないこと、受取人が再婚しない限り少なくとも6年間の支払いを行う契約であること、一方の死亡または受取人の再婚によって中止となる支払いであること、受取人のソーシャルセキュリティー番号を控除金額に付記すること、が挙げられます。また、受取人の再婚により支払者は控除ができなくなります。 米国公認会計士 大島襄 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 不動産賃貸(5)日本からの米国不動産投資| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 不動産賃貸(5)日本からの米国不動産投資 2020年6月29日 日本からの米国不動産投資 日本に住んでいる日本人が米国内の住宅を購入して賃貸活動している場合の課税について検討します。アメリカに住んでいた日本人が帰国後もアメリカの持ち家を処分せずに人に貸しているケース、あるいは日本からの直接投資により取得した住宅や商業不動産をレントしているケースで、アメリカの税法上の「非居住外国人」が米国不動産に直接投資する形態です。不動産を賃貸せず、バケーションや商用の折に使うだけの場合や、アメリカ留学中の子が住んでいるだけという場合は、固定資産税以外の税金が課せられることはありません。 投資家が米国の不動産を運用(賃貸)している場合、米国においても日本においても所得税上、課税対象となります。その場合、連邦所得税については、非居住者外国人に適用される源泉徴収方式またはネット・レント課税方式のうちのいずれかの方式による課税を受けます。連邦税の他に不動産が所在する州政府に対しても申告納税をする義務があります。州税では絶えずネット・レント課税方式が適用されます。 米国公認会計士 大島襄 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 出張旅費| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 出張旅費 2007年2月15日 質問:出張旅費の控除の範囲に関して、妻を同伴した場合、休暇を兼ねた出張の場合、海外出張の場合について教えてください。 答え:配偶者が業務に関わっていない限り、配偶者分の費用の控除は認められません。休暇を兼ねた出張は、業務が旅行の主目的であれば控除が認められます。海外出張旅費は、管理職と一般従業員とで取り扱いが異なります。 出張旅費 出張とは日常の生活をしている主たる住居から離れて、一泊以上の宿泊を伴う業務上の旅行のことをいいます。宿泊期間が無期限である場合には出張とは考えられず、その宿泊地が日常の生活をする主たる住居と見なされて控除は否認されます。 従業員が出張の際支出して、会社から返済されない金額が控除の対象となります。自営業の場合、出張のために支出したすべての費用を控除できます。 ・航空運賃、鉄道運賃、バスの切符代。 ・自分の車代(07年標準レートは1マイルにつき48・5セント)、レンタカー代、タクシー代。 ・ホテル宿泊代。 ・食費(50%)。実費または日当額。 ・チップ、電話代、洗濯代。 出張費用はその実費(または日当額)を会社の経費として処理することができますが、会社の出張旅費の清算方式が「アカウンタブル・プラン」を採用していることを条件とします「アカウンタブル・プラン」とは、次の二条件を満たすものを指します。 1. 会社が社員に対して実際に支出した経費の適切な明細を報告することを義務付けていること。 2. 会社が支給した金額よりも社員が実際に支出した経費が少ない場合、差額を会社に返済することを義務付けていること。 会社が「アカウンタブル・プラン」の条件を満たしていない場合、会社から支給された出張手当は社員が受け取った給与と見なされます。 配偶者分の費用 出張に同伴した配偶者や家族が従業員であり、出張に行く業務上の根拠があれば、配偶者や家族分の出張旅費の控除が認められます。配偶者が出張先で全く業務に関わりがない場合、配偶者にかかった費用は原則として出張旅費としては認められません。 二人分の費用から配偶者分を除いて控除額を算定する際、単純に領収書の2分の1の金額を納税者本人分とするとは限りません。例えば、ホテルの領収書には二人分の宿泊代が記載されていますが、2分の1の金額ではなく、一人の宿泊料がいくらであるかを調べてその金額を控除額とします。二人の宿泊料が一泊220ドルの領収書が発行されたとします。そのホテルの一人の宿泊料が200ドルであれば、控除額は110ドル(220÷2=110)ではなく200ドルになります。航空運賃は本人分だけを使います。出張に自分の車を使った場合、かかった費用の全額を使います。食費などその他の費用については2分の1が妥当と思われます。 ビジネス兼休暇費用 出張先がリゾート地で、仕事と休暇の組み合わせでの出張について検討します。旅行の主な目的があくまでも出張による業務遂行であり、宿泊地がアメリカ合衆国内にある場合、たとえ日程の一部を休暇・私用に費やしたとしても、旅客運賃、宿泊費、食費(50%)は出張旅費として全額を控除することができます。逆に旅行の主目的が個人的な休暇であり、日程の一部を仕事に費やした場合、往復旅客運賃の全額については否認され、宿泊地での滞在費の業務分だけが控除できます。旅行の主目的が業務遂行で、旅程を延長して個人目的に費やした場合、往復旅客運賃のうち私用分を除いた金額が控除の対象となります。 海外出張 海外旅行の主目的が出張による業務遂行であり、旅行日程や行き先に関する決定権を有していない管理職以外の従業員の場合、旅程の一部を休暇・私用に費やしたとしても、出張旅費の全額控除が認められます。 管理職および自営業の場合は、全額控除は認められず、休暇該当分の経費は否認されます。ただし、次の三つのケースでは、いずれの場合も出張旅費の全額控除が認められます。 1. 海外出張の期間が、米国出国日・入国日を除いて一週間以内である場合。 2. 海外出張の期間が一週間超で、休暇・私用期間が全体の25%未満である場合。 3. 出張計画立案に際し、休暇をとることが主眼点ではなかった場合。 海外出張の期間が一週間超で、休暇・私用期間が全体の25%以上の場合、出張費の一部は否認されます。 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 日本にある不動産の賃貸――2| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 日本にある不動産の賃貸――2 2007年12月15日 質問: 米国在住の日本人です。日本の持ち家を人に貸しており、家賃は日本の銀行に毎月入金され、20%の源泉徴収税が差し引かれています。日本と米国での税金の正しい取り扱いについて教えてください。 答え: 米国居住者である日本人が、日本に所有する不動産を賃貸して家賃収入を受け取る場合、日米の両国で確定申告をする義務があります。9月3週号では日本での課税を説明しました。今回は米国での課税について解説します。 米国での課税 米国の税法上の身分が居住外国人とされる人は、米国市民の場合と同様、全世界所得を報告して税金を支払う義務があります。日本に残してきた家を人に貸して受け取る家賃収入は、日本でも米国でも課税対象になります。米国にある住宅からの賃貸収入と同様な方法で家賃純利益を算出し、その金額を給与、利子、配当などすべての所得と合算した合計額が、連邦および州の所得税の対象となります。不動産所得が赤字になった場合、その赤字を他の所得と損益通算できる場合とできない場合とがあります。他の所得が15万ドル以上ある高額所得者には、損益通算はみとめられません。 日本の不動産所得を米国の税務申告書上報告する家賃純利益の金額は、減価償却計算上や円ドル換算レート、支払利子控除の相違のため、日本側での不動産所得の金額とは同一となりません。 ■減価償却計算上の相違 「減価償却」とは資産の購入代金(取得価格)を、資産が使用できるであろう期間(耐用年数)にわたって配分し、経費(減価償却費)にしていく方法のことです。年数の経過によって経済的、物理的に価値が減少する資産である不動産(建物部分のみ)については、「減価償却」を必要とします。住居用不動産の「耐用年数」は、日本では鉄筋マンション47年、重量鉄骨系プレハブ34年、軽量鉄骨系プレハブ27年、在来木造・木質系プレハブ22年という具合に、鉄筋、木造、新築、中古など、建物の種類によってそれぞれ異なる年数を適用します。それに対して、米国では、鉄筋、木造、新築、中古の区別なく、海外住居用不動産の「耐用年数」は、一律40年を適用します。なお、米国内の住居用不動産は一律27.5年です。「耐用年数」の日米間の違いにより減価償却費も異なり、家賃純利益が同じ金額にはならず、差が生じます。 ■円ドル換算レートの相違 日本円から米ドルに換算する際、不動産については取得時の為替レートを使用して減価償却費を計算します。一方、賃貸収入や必要経費については、当該年度の為替レートを使用します。このため、日米間での相違が生じます。 ■支払利子控除の相違 日本では、家賃純利益を純損失にする土地部分の支払利子の控除は認められませんが、米国では建物部分および土地部分の不動産全体について支払利子の控除が認められます。この違いのため米国では家賃純利益の金額が圧縮されます。 以上の計算上の違いにより、同一物件の家賃純利益の計算が、日本と米国とでは異なるという結果が生じます。 既に一度日本で課税された所得を、再度米国でも報告することによって生じる二重課税は、それを回避するための連邦税法上の措置である「外国税額控除」の適用により解消されることになっています。 ■ 外国税額控除 賃貸活動が純利益となり、日米両国で税金を納めることになった場合は、日本側で支払った税金について外国税額控除の形で、連邦所得税から日本の税金を差し引くことにより、二重課税の一部または全部の回避が達成できます。賃貸活動が純損失の場合は、外国税額控除の適用はできません。その場合、未使用の外国税額控除を翌年に繰り越す方法と、外国税について税額控除ではなく「経費控除」方式を選択する方法とがあります。 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 年金にかかる税金| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 年金にかかる税金 2019年12月31日 年金にかかる税金 税法上、米国居住者が日本から受け取る退職年金その他これに類する国民年金、厚生年金、保険年金などの給付金に対しては、本人の居住国である米国においてのみ課税を受けることになっています〈日米租税条約第17条〉。同様に、日本居住者が米国から受け取るソーシャル・セキュリティー手当、ペンション・プラン、その他の給付金は、本人の居住国日本においてのみ課税されます。退職年金とは、過去の勤務に関連し、提供した役務に対する対価として、または受けた障害に対する補償として退職後または死後に行われる定期的給付をいいます。具体的には日米双方の国でそれぞれの国内法に基づいて支給される公的年金を意味しています。また保険年金とは、過去の役務提供の対価ではないが、適正かつ十分な対価に応ずる給付を行う義務に従い、終身または特定の期間中に定期的に支払われる所定の金額のことをいいます。 年金給付を海外に送る際、日本では20%、米国では30%の源泉徴収税を差し引かれる場合があります。源泉徴収を回避するためには、然るべき申請をしておく必要があります。間違えて源泉徴収された税金は、確定申告をして還付請求することにより還付されます。 米国公認会計士 大島㐮 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 日本からの不動産直接投資(法人)| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 日本からの不動産直接投資(法人) 2007年11月20日 質問:日本の法人として、直接アメリカの不動産を購入して賃貸収入を得ることになりました。日本の法人が不動産を所有する場合、税金はどのようになりますか。 答え:日本法人が日本から直接アメリカの不動産を所有・運用する場合、アメリカと日本の両国での法人税の課税を検討する必要があります。前回、日本人の直接不動産投資の税務について検討しましたが、今回は個人を法人に置き換えて考えると理解しやすいでしょう。 ●米国での課税 外国法人による米国不動産の運用(賃貸)に関する税務も、非居住外国人の税金の場合と同様、「源泉徴収課税方式」または「ネット・レント課税方式」のいずれかの方式の選択し連邦税が課税され、さらに「ネット・レント課税方式」による州税、そして場合によっては市税が課税されます。 ▲連邦税 源泉徴収課税方式は、ネット・レント課税方式を選択しない場合に適用されます。レントを受け取る際の源泉税で課税関係が完了するため、他に報告すべき所得がないのであれば確定申告の必要がありません。 テナントまたはその代理人が家賃の30%を差し引き、その金額をIRS(内国歳入庁)へ納付します。残りの70%が実際に受け取る金額です。必要経費の控除は一切認められず、たとえ経費の方が多くて赤字になることが分かっていても、たえず家賃収入の30%を税金として支払わなければなりません。このため、必要経費が控除できるネット・レント課税方式の方が税金額は低くなり、源泉徴収課税方式よりも常に有利と言えます。源泉徴収を行ったテナントまたはその代理人から、暦年終了後の年明けに1年間のレント収入、源泉徴収税額を記載したフォーム1042Sが送られてきます。これで連邦税の課税は完了します。 ネット・レント課税方式は、確定申告書Form 1120Fに必要事項を記入して毎年IRS (内国歳入庁)へ提出します。この方式を選択する年度の申告書上、不動産収入が米国内の商活動と実質的に関連があるというIRC(内国歳入法)第871(d)条に基づく選択を行います。家賃収入から、固定資産税、支払利子、修繕費、管理費、維持費、保険料、不動産周旋手数料、減価償却費などのあらゆる必要経費を控除して、ネット・レント純利益または純損失(不動産賃貸所得または損失)を算出し、35%の連邦法人税(10万ドルまでは15%、25%)が課されます。必要経費控除後の金額が純損失になれば税金は発生しません。同一年度内の他の所得との損益通算が認められ、残った損金は他の年度に繰り延べることが認められます。繰延年数は繰り戻し2年、繰り越し20年です。 ▲州税 税金は連邦政府だけでなく、州、場合によっては市に対して申告して納付する義務があります。税率は州によって異なります。例えば、カリフォルニア州8.84%、ニューヨーク州7.5%。州法人税は、たえず「ネット・レント課税方式」に基づいて計算します。連邦税を「源泉徴収課税方式」にすると二重手間になるため、最初から連邦税を「ネット・レント課税方式」で計算しておくことが勧められます。 ニューヨーク州での不動産活動の場合は、もう一つ問題があります。それは、税金計算の出発点が連邦課税所得(米国)ではなく、法人の純利益(日本)であることです。すなわち、日本の損益計算書の税引前純利益を米ドルに替えて報告しなければなりません。さらにその金額に、いわゆる3要素の「按分配賦率」(Three Factor Formula)を適用してニューヨークの課税所得を計算し、7.5%の税率を掛け合わせてニューヨーク州法人税とします。この場合の3要素とは総売上、給与、固定資産のことであり、それぞれの要素についてニューヨークの金額が全世界の金額に占める割合を算出し、その平均値を「按分配賦率」とします。税金の計算にアメリカでの活動とは関係のない日本の財務諸表とその明細を用意し、また算出される税金額は予測できないほどかけ離れた金額になることを覚悟する必要があります。物件がニューヨーク市内にある場合は、ニューヨーク市法人税の申告・納税も必要です。計算方法はニューヨーク州税と同じです。ニューヨーク州内の不動産に投資をする場合、州税上および市税上の税金上の問題に考慮して、なるべく日本法人が直接保有することを避け、現地法人を設立して間接的に保有することが勧められます。 ●日本での課税 日本の法人は全世界所得を報告して税金を支払う義務があります。アメリカ不動産への直接投資をしている場合、レント収入からすべての必要経費を差し引いた後のネット・レント純利益(または純損失)を他のすべての所得に合算した課税所得が税率22%または30%の法人税の対象となります。地方税もかかります。 支払利子控除、減価償却、ドル・円換算レートの制限のため、日本での課税所得はアメリカ側で報告したネット・レント純利益(純損失)を、単純に円換算した金額とは異なります。 ・ 支払利子控除――米国では不動産取得に係る支払利子が全額控除できます。日本では建物部分に対応する支払利子は控除が認められますが、赤字の要因となる土地部分の対応額は控除が認められません。 ・ 減価償却――減価償却の計算のための耐用年数が、同一物件であるにもかかわらず日米で異なります。 ・ ドル・円換算レート――家賃収入や当期に発生した経費は当該年度の平均為替レートでドルから円へ 換算します。一方、減価償却の計算のための不動産取得費は、購入日の換算レートを使います。 以上の計算上の制限によって、ネット・レントの金額が日本とアメリカとで大きく異なるという結果になります。 日本とアメリカの両国で税金を納めることになった場合、アメリカで支払った税金について、外国税額控除の形で日本の税金から差し引くことにより、二重課税の回避が達成できます。 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 会計とレヴュウサービス| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 会計相談室 < 前の記事 次の記事 > 会計とレヴュウサービス 2016年5月2日 「譲矢(ゆずりや)さん、前に新しい会計サービスの基準ができたと聞いたんじゃが、確か今期から従わなければなかったと思ったので、もう一度教えてくれんかのう」会社経営者の鬣(たてがみ)は会計コンサルタントの譲矢謙吉にいつも通り尋ねた。 「鬣さん、それは、会計およびレビュウ委員会の70号で公表された4つの基準のことです。」 「前に聞いた時には4つもあったかなぁ」 「まず、セクション60が一般基準です。セクション70がプリパレーション基準、セクション80がコンピレーション基準でセクション90がレビュウ基準です。」 「へぇー、そんなにあったのか。すっかり忘れてたわい。」 「これらは、2015年12月15日以降の決算の財務諸表から適用になっています。」 「そうか、やっぱり。それじゃ、各基準を簡単に説明してくれんか?」 「承知しました。まず、セクション60ですが、様々なことばの定義をしています。例えば、エンゲージメントパートナー、エンゲージメントチーム、事務所や専門家としての判断などです。」 「なに、エンゲージメントパートナーとは誰かが相手を見つけて婚約をすることか?」 「違います。ここでは契約や仕事の総指揮をとる会計事務所の共同経営者のことです。」 「うちの会社の場合、譲謙(ゆずけん)さんのことか?」 「その通りです」 「それじゃ、うちに関係のありそうな70について詳しく教えてくれ。」 「70号はプリパレーション(作成)基準のことです。これは文字通り顧客のために財務諸表を作成してあげるサービスです。ただ、この基準は他の会計事務所が監査やレビュウをしている財務諸表作成には適用されますが、自分の事務所が監査やレビュウ、コンピレーションをしている契約のなかでの作成作業には、プレパレーション基準の適用はありません。」 「何かこんがらがるのぉ。同じプレパレーションといっても状況で異なるということじゃな。」 「また、法人税申告書やファイナンシャルプランに添付する場合にはプレパレーション基準は適用になりますが、税務当局に提出する場合やファイナンシャルプランに含めている場合には適用はありません。さらに訴訟サービスや、ビジネス評価サービス中での財務諸表作成も適用外です。また、減価償却表の作成サービス、仕訳作成サービスも適用外です。財務諸表の注記のドラフト作成も適用になりません。会計ソフトを利用した総勘定元帳の作成や支払いサービス等のいわゆるブックキーピングサービスでも適用になりません。会計ソフト外での財務諸表の作成が適用対象となります。」 「なんか結構面倒だな。」 米国公認会計士齊藤事務所 ( www.saikos.com , info@saikos.com ):齊藤幸喜 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 日本の相続27 遺言の撤回| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 日本の相続27 遺言の撤回 2021年2月2日 日本の相続27 遺言の撤回 遺言者は、いつでも自由に遺言の全部または一部を撤回(取り消し)することができます。また、遺言を撤回する権利を放棄することはできず、たとえ撤回しない旨を遺言書に記載したり、あるいは利害関係人に約束したりしていても、拘束されることはありません。遺言の撤回を詐欺または脅迫によって妨げた者は、相続欠格者とされ、相続の対象外となります。 遺言の撤回は、遺言による方法と行為による方法があります。 1. 遺言による方法 ・ 前の遺言の全部または一部を撤回する新しい遺言を作成すると、前の遺言は初めからなかったことになります。 ・ 前の遺言に反する新しい遺言を作成すると、反する部分については、新しい遺言が優先され、前の遺言は新しい遺言により撤回されたことになります。 2. 行為による方法 ・ 遺言に反する生前処分(譲渡、寄付、売買など)を行うと、反する部分は撤回されたことになります。 ・ 遺言者が故意に遺言書を破棄した場合、遺言内容は撤回されたものとみなされます。遺言者の過失、第三者の行為または不可抗力による破棄は、撤回の効力がありません。 ・ 遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄した場合、その遺贈は撤回されたことになります。 米国公認会計士 大島襄 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る
- 日本在住の永住権保持者の税金| 米国公認会計士 Saito LLP
T opics 税金相談室 < 前の記事 次の記事 > 日本在住の永住権保持者の税金 2007年5月25日 質問: 永住権(グリーンカード)保持者は日本に住んでいても米国税法上の身分が居住外国人であるため、連邦税の申告をしなければなりませんが、日本と米国で二重に税金が課されるのでしょうか? 答え: 日本在住の永住権保持者が連邦税の申告をする際に問題となる、日本と米国での二重課税について検討します。 Eビザ、Lビザ、Hビザなどで米国に滞在して居住外国人であった日本人が日本へ帰国すると、米国税法上の身分は、居住者から非居住者へ変わります。したがって帰国後は米国源泉所得がない限り、米国での課税は生じません。一方、永住権保持者は、米国を離れて米国以外の国(例えば日本)に住んでいる場合、永住権を放棄しない限り居住外国人としての税法上の身分を保ち続けます。居住外国人は全世界所得が課税対象となるため、米国での所得が無くても日本での所得があれば、その金額を米国のIRS(内国歳入庁)に報告して確定申告書を提出しなければなりません。 日本で既に課税された所得を再び米国で申告するため、二重課税(同一の所得に対して二つの国で税金が徴収されること)が生じる可能性があります。その救済措置として、所得控除と税額控除の二段階にわたる減税方法の適用によって、二重課税の問題が解消されます。所得控除は、所得から一定金額を差し引いて課税対象所得を削減して税金を少なくする減税方法です。税額控除は、所得税を計算した後、その所得税を相殺する形で直接的に税金を少なくする減税方法です。所得控除として、海外に在住する米国市民に適用される「海外役務所得控除」の規定が永住権保持者にも認められます。税額控除として、二重課税防止措置である「外国税額控除」の規定の適用が認められます。 「海外役務所得控除」(Foreign Earned Income Exclusion)は、海外で得た役務所得(給与、報酬、事業所得など)の一定金額を非課税所得として扱い、その金額を所得から削除します。一定金額とは8万ドルであり、2008年以降、毎年インフレ調整が施されて増額することになっています。この所得控除を受けるためには、外国の居住権を取得して1暦年以上経っていること(居住権条件)、あるいは、外国での実際の滞在日数が12ヵ月のうち330日以上であったこと(実際滞在条件)のいずれかの条件を満たさなければなりません。フォーム2555に必要事項を記入して、申告書フォーム1040に添付提出します。 「外国税額控除」(Foreign Tax Credit)は、外国で課された所得税のうち、海外役務所得控除(8万ドル)に対応する金額を除き、超過分についてのみ控除が認められます。すなわち、役務所得が8万ドル以下であるため全額除外されて課税対象所得がない場合は、外国税額控除もなしとなります。役務所得以外の外国所得(例えば投資所得)に課された所得税については、全額控除が認められます。外国税額控除は、種類の異なる所得(通常所得と投資所得)ごとに別計算されます。外国税額控除は、フォーム1116に必要事項を記入して、申告書フォーム1040に添付提出します。 日本に住んでいる永住権保持者が連邦税の確定申告をする際、日本と米国で二重に税金が課されて不利になるのではないかという懸念は、「海外役務所得控除」と「外国税額控除」の規定の適用により、二重課税は排除されて、実際に支払う米国の税金は最小限に抑えられます。 < 前の記事 次の記事 > 最新トピックスに戻る

















