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税金相談室
日本からアメリカへの不動産投資
2025年9月29日

「譲謙(ゆずけん)さん、日本の友人がアメリカに不動産投資をしているんじゃが、申告する方法には二種類あると聞いたぞ。その二種類の方法を教えてくれんか?」会社経営者の鬣(たてがみ)は、会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち;通称、譲謙)におもむろに聞いた。
「はい、それはグロス方式とネット方式です。」
「なんだそれは?」
「はい、グロス方式が、受け取った家賃金額に税金がかかる方法で、ネット方式は受け取った家賃からそのビジネスにかかった様々な費用を差し引いた不動産ビジネスの純利益(不動産所得)に税金がかかる方法です。」
「どっちの方法が法律上優先されるのじゃ?」
「グロス方式は法律上の原則的な方法ですので、ネット方式を選択しないと自動的にグロス方式になります。グロス方式の納税方法はいわゆる天引き方式です。」
「それじゃ、テナントから家賃を受け取ったら一定額を天引きしてもらって納税するのか?」
「はい、その通りです。テナントか不動産管理会社に天引き額を計算してもらって納税してもらいます。」
「何パーセントの天引じゃ?」
「原則30%です。」
「ほうそれは大きいな。」
「はい、家賃の30%天引きというとほぼ利益はなくなってしまうかもしれませんね。」
「それじゃ、経費が引けるネット方式が断然お得だし、みんなその方法をとっているんじゃろ」
「節税という観点ではその通りです。しかし、法律上の原則的な処理がグロス方式ですので、ネット方式を選択しないとネット方式は採用することはできません。」
「ネット方式をとるためにはどうすればいいんじゃ?」
「税法上の871条d項に基づいて申告書を申請をすれば、ネット方式の選択が可能になります。」
「具体的にはどうやって申請するのじゃ?」
「非居住者用の個人税申告書にステートメントを添付して申請します。」
「しかし、それでは天引きを実行する人にはわからないから、間違って天引きされてしまうんじゃないか?」
「はい、それで貸す方は天引きの主体者にForm W-8ECIを発行して、天引きしないでくださいというお知らせを出しておく必要があります。ちなみにネット方式は、一旦申請するとその後変更することはできません。」
「ネット方式の選択をしなければ、30%の天引きをされておしまいということじゃな?」
「その通りです。」「ネット方式では費用はどんなものを引けるんじゃ?」
「例えば、利息費用、減価償却費、固定資産税などです。」
「手続き的にはどちらが簡単じゃ?」
「税金のことを考えるとネット方式の方が得ですが、手続きはグロス方式の方がとても簡単です。基本的にはなにもしなくて構いません。ネット方式は税務申告書を作成し、期日までに申告しなければならないので、結構大変です。」
「申告は譲謙さんがやってくれるんじゃろ?」
「はい、もちろん喜んで引き受けさせていただきます。」
米国公認会計士齊藤事務所(Saito LLP):齊藤幸喜 (www.saitollp.com, info@saitollp.com)
