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税金相談室
国境を越える贈与・相続 (12)
2011年8月1日

国境を越える贈与・相続 (12)
グリーンカード保持者の死
滞米年数30年で、永住権を保持する日本人が亡くなりました。遺族は、永住権保持の妻と米国国籍の子二人で、遺された財産は米国と日本にある不動産と銀行預金です。老後は、米国で過ごすことを決めていたため、Domicile (定住地)は米国内にあったと判断されます。
米国の遺産税を検討する上で大切なのは、永住権保持者が居住外国人であるか非居住外国人であるか決めなければならないことです。グリーンカード即居住外国人とする所得税法上の定義と異なり、遺産税法上は、Domicile (定住地) が米国内にあるかどうかによって居住者・非居住者が決定します。このケースでは、Domicileが米国内にあったため居住外国人として、すなわち、遺産税の計算上、米国市民と同等の取り扱いとなります。全世界財産が課税の対象となり、基礎控除相当額が統一税額控除の形で認められます。基礎控除相当額は、2011年、2012年500万ドル、2013年以降100万ドル、税率は、2011年、2012年18~35%、2013年以降18~55%です。日本で課せられた相続税がある場合、外国税額控除の適用により、二重課税の一部または全部の回避が達成できます。生存配偶者はグリーンカード保持者であり、外国籍であるため、婚姻控除 (Marital Deduction) は認められず、基礎控除の金額を超える財産の相続には税金が課せられます。
日本の相続税に関しては、被相続人(故人)と相続人(遺族)の双方の住所が、過去5年以上日本国外にあったため、課税対象となるのは、日本国内財産(日本の不動産と銀行預金)だけです。日本国外財産については、日本の相続税の対象外です。
米国公認会計士 大島襄
