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税金相談室
アメリカの会社設立の流れ
2025年7月18日

Q.現地法人設立の基本的な流れを教えてください。
A.現地法人設立には、約1 ヵ月程度見ておくのが良いでしょう。州政府へ申請し受理されることで、法人設立は法律上完了となります。早ければ法律上の設立を5 日程度で行なうことも可能ですが、実際にビジネスを開始するためには、その他にも必要な手続きがありますのである程度準備期間が必要となります。
米国への進出形態が決まったら、次は設立する州を決めます。設立州は、実際にビジネスを行う場所(本拠地)にするのが良いでしょう。アメリカでは設立州と実際のビジネスをする地域が、必ずしも同じ州である必要がありません。会社設立・維持コストが安く早いなどの理由からデラウェア州等で会社を作るケースも多いですが、実際にデラウエアでビジネスをしていなくてもフランチャイズタックスという税金が課されることになります。また実際にビジネスをする州でも法人税課税の対象となるため、節税のためには、特別な理由がない限り、設立は実際にビジネスをする州で検討するとよいでしょう。所得税、消費税、固定資産税、法人税などは場所によって大幅に異なることがありますので合わせて検討材料としてください。実際、一部の州は特定の種類の企業に非常に有利な税制度を提供することで知られて技術系スタートアップ、金融機関、製造業が国内の特定の地域に集中する一因となっています。カリフォルニア州は、高度な技術インフラと豊富なベンチャーキャピタルがあり、多くのテクノロジースタートアップがシリコンバレーに集中しています。州の税制優遇措置の一つであるCalifornia Competes Tax Credit は、カリフォルニア州での雇用創出と投資促進を目的とした税制優遇措置で州内で事業を新設または拡大する全ての規模・業種の企業を対象としています。カリフォルニア州知事の経済開発事務局(GO-Biz)に申請し、雇用創出数、経済効果、投資額などの基準で評価されます。選ばれた企業は、最長6年間にわたり、約束した雇用や投資の実績に応じた税額控除を受けることができます。研究開発税控除制度もありスタートアップの成長を支援しています。またテキサス州では法人税、個人所得税がないため、テキサス州で事業を行う企業は全米で最も低い税負担というベネフィットを享受しています。さらに、テキサスは他の米国の州と比較しても、事業運営コストが低いことが特徴です。
設立州を決めたら、会社設立書類を州政府へ提出することになります。その際に会社名を決める必要がありますが、同じ会社名が既に存在する場合は、その会社名で設立することは出来ません。そのため、申請前に、希望の会社名が利用可能かどうかを調べておくと良いでしょう。(州にもよりますが、事前に州のウェブサイト等で調べる事も可能であり、また会社名の事前予約を受け付ける州もあります。)
また連邦税、州税の支払いが発生する場合には税務当局に登録とともにEmployer Identification Number (EIN)、および State Tax ID Number の入手が必要になります。State Tax ID Number を取得するプロセスは、 Employer Identification Number (EIN)を取得するプロセスと似ていますが州によって異なります。具体的な手順については該当州に確認する必要があります。
上記の申請書類の提出に加え、税務当局への登録、法人銀行口座の開設、資本金の振り込み、許認可やライセンスの取得など、会社設立申請と同じタイミングで手続きをすることも多く、会社設立の準備期間としては1ヵ月程度見ておくとよいでしょう。
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