会計相談室
2019年12月23日 14:00:00
Review Compilation standards
譲矢謙吉(ゆずりやけんきち)さん、あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。ところでうわさで聞いたんじゃが、またもやレビューやコンピレーション、プレパレーション基準が変わったと聞いたんじゃが、本当か?」(注:レビュー、コンピレーション、プレパレーションは決算書に対する会計サービスの種類のことである。それぞれサービスの内容が異なる)会社経営者の鬣(たてがみ)はおもむろに会計コンサルタントの譲矢に聞いた。
「はい、2016年と2018年で会計およびレビュー業務委員会(ARSC)が会計およびレビューの基準書(SSARS)No.22から24までの3つのステートメントを公表しました。」
「それは何だ?」
「まずはNo.22ですが、それは見積財務諸表です。」
「見積財務情報ってなんだ?」
「見積財務諸表は実際の財務諸表に見積調整を行うことによって作成されます。そのために経営者の計算仮定が必要となります。全ての重要な影響を取引に反映させる必要があり、会計基準と整合していなければなりません。」
「ところで、見積財務諸表は何のために使用されるのじゃ?」
「会社の合併や、資本政策の変更時、大きな部分を占める事業部門がなくなる場合、企業自体の変更、有価証券の売却や入金額の影響などが考えられます。」
「そうか、次にNo.23はどんな感じだ?」
「No.23は既存の会計レビュー基準(AR-C)すなわち、会計とレビューの一般基準、プレパレーション、コンピレーション、レビュー基準の修正をしました」
「ほうそれはかなり大規模だのう」
「その通りです。例えば、その他のプレパレーション、コンピレーションやレビューの定義付けなどをしています。プレパレーションでは、もしも会計士が各ページに「no assurance is provided」の文言を決算書の各ページに記載できない場合には契約をおりてもよいことになっています。コンピレーションでは、会計士が知った決算書上の会計基準との乖離を開示しなければならないことが明記されました。レビューでは付属資料の定義が明確になりました。」
「いろいろあるのう。No.24はどうな感じじゃ」
「No.24は(AR-C)で新しいセクションを創設しました。特別な状況を想定しています。例えば、アメリカ国外でのみ使用される会計士のレポートの発行についてなどです。」
「ほういろいろとあるもんじゃのう。ありがとう。ひとつ今年もよろしく頼むな。」
「はい、かしこまりました。」
米国公認会計士齊藤事務所 (www.saikos.com, info@saikos.com):齊藤幸喜