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税金相談室

ITIN

2025年7月25日

ITIN

「譲謙(ゆずけん)、わしの知り合いがソーシャルセキュリティナンバー(SSN)がないので、個人税の申告をするためにITINを取ると言っているんじゃが、ITINって何かもう一度説明してくれんか?」会社経営者の鬣(たてがみ)はおもむろに会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称、譲謙)に聞いた。


「SSNがない場合には、納税者番号(Individual Taxpayer Identification Number=ITIN)を取る必要があります」


「それはどうやってとるんだったっけ?」


「Form W-7に税務申告書、それにパスポートを同封して申請します。」


「パスポートを同封なんていやじゃな」


「パスポートを同封しない場合、パスポートのコピーが本物のコピーであることを領事館や大使館で証明してもらうか、ITINの公認代理人(Certified Acceptance Agent=CAA)に面談してパスポートと同じ人物であることを書面で証明してもらう必要があります。アメリカにある日本の大使館や領事館で証明してもらうことを旅券所持証明といいます。日本のアメリカ大使館でもITIN取得の場合に限って外国のパスポートの認証もしてくれます。」


「結構厄介じゃのう」


「そうなんです」


「ところで、Form W-7は簡単に書けるんじゃろ?」


「いえ、これがなかなか難しくて、よく記載を間違えてやり直しになっています。場合によってはITINがなかなかとれないことがあります」


「どこを間違えるんだ?」


「よく間違える点を紹介しますと、①W-7を申し込む理由にチェックマークをし忘れる。申し込む理由には、a) 非居住者が日米租税上条約上の恩恵を受けるため、b)非居住者が米国で申告するため、c)米国滞在日数が多かったために税務上米国居住者扱いとなって申告書を申告するため、d)米国人または居住外国人の子供や配偶者を被扶養者として申告するため、e)非居住の学生や教授が税務申告するため、f)非居住で有効なUS VISA保有者の子供や配偶者などがあります。②外国人であることのサポ―ティングドキュメントを添付し忘れる。14歳未満の子供か18歳未満の学生以外の申込者は最新の写真付きのサポ―ティングドキュメントの原本または本物のコピーであることを発行元に証明されたコピーを送付する必要があります。サポ―ティングドキュメントにはパスポートの他、合計で13の認定されたドキュメントがあります。CAAはきちんとサポーティングドキュメントが添付されていることやW-7の内容が正しいことを証明する証明書(Certificate of Accuracy=COA)を発行しなけなければなりません。③米国入国日を記載していないというミスもありますが、税務申告書で子供のクレジットをとるために非常に重要なので、アメリカに入国の際には、パスポートに必ず入国のスタンプをもらっておくことをお勧めします。」


「ほうそうか、いろいろあるのう。続きは来月にしよう。ありがとう。」


米国公認会計士齊藤事務所(Saito LLP):齊藤幸喜  (www.saitollp.com, info@saitollp.com)

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