税金相談室
2024年11月15日 14:00:00
ITIN
「譲謙(ゆずけん)さん、ITIN番号は個人税申告書の申請でしか取れないと思っていたんじゃが、個人税申告の時以外でも取れるケースがあるのか?」会社経営者の鬣(たてがみ)が会計コンサルタントの譲矢譲吉(ゆずりやじょうきち、通称;譲謙)におもむろに尋ねた。
「はい、あります。その前にまずはITINとは何か簡単に復習、説明したいと思います。」
「ITINとはIndividual Taxpayer Identification Number(個人納税者番号)の略です。 Social Security Number(SSN: 社会保障番号)を取得できない外国人が個人税の申告書を申告するためにできたナンバーです。日本に住んでいる日本人の奥様と夫婦合算申告をする場合や、日本人のお子様がSSNを取れない場合などに子女クレジットを取る場合などに必要となります。」
「そうか、そうだったな、SSNがない場合には、重要なナンバーじゃ。どうやって申請するんじゃったかのぅ?」
「ITINの申請書であるForm W-7と必要書類を確定申告書に添付して米国内国歳入省(IRS)に提出する必要があります。」
「それじゃ個人税の確定申告書の申告以外でITINを取得できる場合があるのかのう?」
「はい、ITINの取得は通常、個人税の申告書を提出する場合に行われますが、例外的なITIN取得のケースでは、次のような事例があります。①年金の受け取り、②使用料の受け取り、③配当金の受け取りです。これらの場合には投資会社や保険会社、金融会社などの源泉徴収義務者からITINの提出が求められます。」
「そんな時にはどうやってITINを取得するのじゃ?」
「源泉徴収義務者のレターにForm W-7と必要書類を添付して申請します。」
「わしの友人はアメリカのパートナーシップのパートナーなんじゃが、ITINを求められたらしいぞ。」
「そうですね。パートナーシップは保有する資産から発生する収入の報告やパートナーシップの収益に対する源泉徴収をするためにパートナーがSSNを持っていない場合には、ITINを求めてきます。」
「その場合には、どうやってITINを申請するのじゃ?」
「パートナーシップ契約書または、リミテッドライアビリティカンパニー(LLC)契約書のうち申請者がパートナーまたはメンバーであることが明示されている部分のコピーと必要書類をForm W-7に添付して申請します。」
「よくわかった。友人に教えてあげよう。ありがとう。」
米国公認会計士齊藤事務所(Saito LLP):齊藤幸喜 (www.saitollp.com, info@saitollp.com)