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会計相談室

2011年1月25日 17:00:00

レビューとコンピレーション5

Inage Hawaii

レビューとコンピレーション その5


Q 弊社では、財務諸表についてレビューを会計士から受けています。レビューには監査の一環として期中に行われるレビューと期末で実施されるレビューの2種類があると聞きました。どのような違いがあるのでしょうか?


A 会計およびレビュー基準(Statements on Standards for Accounting and Review Services:SSARS)19号「コンピレーション業務およびレビュー業務」が、AICPA(米国公認会計士協会)より2009年12月に発行され、前回までは、そのレビュー基準に基づく財務諸表のレビューを解説してきました。これがいわゆる期末に実施されるレビューです。


 レビューには、米国会計およびレビュー基準(SSARS)によるレビューと米国監査基準(SAS)によるレビューがあります。言葉は同じ“レビュー”でも内容が異なります。


監査基準(SAS)116 「監査のための期中レビュー」


 09年2月監査基準委員会(ASB)は、「中間財務情報(Interim Financial Information)のレビュー」を公表しました。この基準の対象となるのは、以下のような非上場企業です。 


 1.前年度の年度財務諸表が監査されていた 

 2.今期の年度末財務諸表について監査契約締結している、あるいは同じ会計士が昨年度の監査を実施しており、今年度末も監査を行うことが予想される


 これらの要件が満たされないと、SSARSの規定に従うことになります。


 SAS116に基づく中間レビューは、SSARSと同様に分析と質問が主な手続きになりますが、SSARSのレビューとの違いは以下の点です。


 1.監査の情報に基づいてレビューを行うこと

 2.レビューレポートの発行は義務ではありません。ただし、レビューレポートが発行された場合にには、中間財務情報に対して発行されます。AICPAの基準への言及はできますが、SSARSへはできません。

 3.例え、内部統制についてテストはしないとしても、経営者の内部統制に関する能力を評価しなければなりません。

 4.経営者が内部統制に関する責任を認識していない場合、SAS116に基づくレビューは実施してはなりません。

 5.会計士は会社の内部統制を熟知している必要があります。従って、その知識に基づいて、財務諸表の重大な誤りの可能性(リスク)について洗い出す必要があります。


 以下の手続きを行うことが規定されています。

 ①直前期間との比較、前年同期との比較

 ②経営者への具体的な質問

 ③弁護士への質問の必要性の検討を行う

 ④経営の継続性(going concern)の調査


 この基準の適用日は09年12月15日後の期首の財務諸表からです。なお、早期適用が認められています。

 

2011年1月25日

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