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会計相談室

SOCレポート 2回目

2026年7月31日

SOCレポート 2回目

譲謙(ゆずけん)さん、前にも言った通り、うちでは給与計算をクラウド型のサービス会社に委託しておるのじゃが、監査人からその会社のSOCレポートの提出をまた求められたのじゃ。復習もかねて、あらためてSOCレポートとは何か教えてくれんかのう?会社社長の鬣(たてがみ)が、おもむろに会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち;通称、譲謙)に尋ねた。


「System and Organization Controls(SOC)レポートですね。SOCは米国公認会計士協会(AICPA)が定める基準に基づいて発行される、第三者の保証報告書で、外部委託先(Service Organization)の内部統制について評価したものです。」


「なぜ、そんなものが重要なのじゃ?」


「近年、多くの業務がクラウドサービスを通じて処理されるようになってきたことが理由です。」


「クラウドは導入が早く、どこからでもアクセスでき、コストも比較的安く、操作も簡単で、常に更新される。今やビジネスには欠かせん存在じゃのう。」


「おっしゃるとおりです。ただし、監査の観点からは、クラウドサービスの利用にあたり、そのサービス提供会社の内部統制が適切に整備・運用されているかが重要な論点となります。」


「どのようなクラウドサービスがあるのじゃ?」


「例えば、監査証憑の確認ではConfirmation.com、請求書処理ではBill.com、顧客管理ではZohoやSalesforce、ERPではQuickBooks OnlineやNetSuite、給与計算ではADP、売上税管理ではAvalara、文書管理ではDropbox、税務ソフトではCCH Axcessなど、多岐にわたります。これらのサービス提供会社は、一般にService Organizationと呼ばれます。」


「ほう、ずいぶん多いのう。」


「はい。企業はこうしたサービスを活用することで業務の効率化や高度化を図っていますが、その一方で、委託先の管理が不十分だと重大なリスクにもなり得ます。」


「なるほど、その通りじゃな。」


「そこで重要になるのがSOC(System and Organization Controls)レポートです。」


「それには種類があるのか?」


「はい、主にSOC1、SOC2、SOC3の3種類があります。


SOC1は、ユーザー企業の財務諸表監査に関連する内部統制(財務報告に係る内部統制)についての報告書で、主に監査人による利用が想定されており、配布も限定されています。


SOC2は、セキュリティ、可用性、処理の完全性、機密性、プライバシーといった信頼性サービス基準(Trust Services Criteria)に基づく内部統制についての報告書で、特定の利用者(顧客や監査人など)に限定して提供されます。デューデリジェンスなどでも利用されます。


SOC3はSOC2と同じ基準に基づいていますが、詳細な統制内容は省略され、一般公開を前提とした簡易的な報告書であり、主にサービス提供会社の信頼性を示す目的で利用されます。配布に制限はありません。」



「ふむふむ、いろんなものがあるな。勉強になったありがとう。」


米国公認会計士齊藤事務所 (www.saitollp.com, info@saitollp.com):齊藤幸喜

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