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会計相談室

2022年5月1日 14:00:00

Restricted cash とそのキャッシュフロー表(S/F/C)

Inage Hawaii

Restricted cash とそのキャッシュフロー表(S/F/C)の取り扱い。


「レストリクテッドキャッシュとはなんじゃ?」会社経営者の鬣(たてがみ)が会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称、譲謙、ゆずけん)におもむろに聞いた。「Restricted Cashですね。」「それじゃ、それは何だ?」「Restricted Cashとは自分のキャッシュのうち自由に使用することができないキャッシュです。」「なんじゃそれは?なんで自分の金が使えないんじゃ?」「いろんな理由があります。」「どんな理由じゃ?」「例えば、将来の社債の返済に充てるために貯めていたキャッシュや将来のビルの建て替えのために貯めたキャッシュなどです。これらを使ってしまうと社債の返済やビルの建て替えができなくなってしまいます。」「そうか、使用目的が限定されたキャッシュのことか。」「その通りです。キャッシュはいつでも何の目的のためにでも使用できるものでなければなりません。」「もしかすると銀行が勝手に使うなという拘束預金もレストリクテッドキャッシュか?」「その通りです。」「それじゃ、レストリクテッドキャッシュは通常のキャッシュとは別物じゃな。」「そうなんです。だから、レストリクテッドキャッシュの性質は決算書で開示しなければなりません。」「まてよ、そうするとキャッシュフロー表では別々の扱いになるのか?」「以前はそうでした。しかしながら、2017年の会計基準の変更でRestricted CashはCashと一緒にして扱うことになりました。」「そうするとキャッシュとレストリクテッドキャッシュの間のやり取りはキャッシュフロー表には載せなくてよいということじゃな。」「そうです。ただし、キャッシュフロー表のキャッシュとRestricted cashの合計金額は貸借対照表(バランスシート)のキャッシュとは異なる金額になってしまうので、バランスシート上のキャッシュやRestricted Cashの金額と照合できる表をキャッシュフロー表に載せるか、注記に記載しなければなりません。」「そうか、よくわかった。ありがとう。」


米国公認会計士齊藤事務所 (www.saitollp.com, info@saikos.com):齊藤幸喜

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