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会計相談室

2023年2月16日 14:00:00

Leaseで用いる利率

Inage Hawaii

Q. オペレーティングリースを資産計上する際に使用する利率は何を用いるのでしょうか?


A. アメリカの会計基準(ASC)842号では、オペレーティングリースに使用する利率は、まずImplicit Rateを用いなければなりません。Implicit Rateとは、当該リース契約で用いられている利率です。


Implicit Rateを用いたリース料総支払額の現在価値に当該資産のリース終了後時の残存価値の現在価値を加えた合計額がリース資産の公正価値と貸手の初期取得付随費用の合計額と一致しているはずです。リース資産の公正価値とは当該資産の市場での売買価格です。


もしも、Implicit RateがわからなければIncremental Borrowing Rateを用いることになります。Incremental Borrowing Rateは借手がリースではなくてファイナンス(借入)で購入したと仮定した場合のRateです。


もしも、そのリース資産を担保として、そのリース期間で借入金をして購入した場合に支払わなければならない支払金利のことです。 Incremental Borrowing Rateの出し方はまず、無担保の一般的な借入金のRateから計算をスタートします。それに担保を付けた場合のRateの計算をして減額していきます。担保はそのリース資産に限りません。借り手側のどんな担保でも可能です。


さらに外国で借りている場合には外貨でのRateも勘案して計算します。実際には、このようなIncremental Borrowing Rateの計算は、銀行の助けを借りる必要があります。または、レッシー(リース取引の借手)が、リース実行時に当該資産をリースではなく、借入をして購入することを前提として銀行にファイナンスを申し込んでいれば、入手することができます。


また、会社が借入金をすることが何らかの理由で不可能な状況の場合には、借入金市場での最も低いRateを使うことになります。そのほか、企業が非上場会社であった場合には、そのリース期間でのRisk-Free Discount Rateを使用することが認められています。Risk-Free Discount Rateの典型例はアメリカ国債利回り(US Treasury Yields)です。リース開始時のリース期間と同じ期間の利率を使用することができます。


ただし、Risk-Free Discount Rateを使用するには社内の会計規則でそれを使用することを明記しておく必要があります。社内の会計規則は、Incremental Borrowing Rateを算出するには一般的に費用と手間がかかるため、Implicit Rateがわかる場合には、Implicit Rateを用い、それがわからない場合には、Risk-Free Discount Rateを用いることにしておくのがよいでしょう。


もしも、リース契約が契約の途中で修正されたらならば、Rateを見直し、リース借入金とリース使用権資産を測定し直すことになります。 最後にDiscount Rateは0以下にはなりません。

米国公認会計士齊藤事務所 (www.saitollp.com, info@saitollp.com):齊藤幸喜

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