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会計相談室

2023年6月23日 13:00:00

Finance LeaseとOperating LeaseではFSでの表示方法が違いますか?

Inage Hawaii

「譲謙(ゆずけん)さんや、リース会計は大きく変わったが、Operating LeaseとFinance Leaseでは決算書での開示方法は違うのかのう?」会社経営者の鬣(たてがみ)が会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち通称ゆずけん)におもむろに聞いた。


「ええ、同じ点と違う点があります。同じ点としては両方とも使用権資産(Right Of Use; ROU)として同じ名称の無形資産として扱われている点です。反対勘定についてはLease Liabilityとしてリース負債を計上します。Lease LiabilityはOperating LeaseでもFinance Leaseでも利率を用いて全く同様な返済処理をしていくことになります。」


「そうか、それじゃ、2つとも同じということじゃな。」


「いえ、そう簡単でもありません。Finance Leaseでは、資産を購入したのと同様に扱われるので、それぞれのリースした資産ごとの内訳や、その取得原価と償却累計額を開示する必要があります。開示方法としては、他の固定資産に含めて開示する方法とROUとして載せて、その内訳を書く方法があります。いずれにしてもリース資産であることは明記する必要があります。」


「そうか、Finance Leaseは昔のCapital Leaseと同じように固定資産の購入と考えるわけじゃな。」


「そうです。その他、費用計上はOperating LeaseではROUの償却額とLease Liabilityの利息の金額を合わせて毎年定額のLease Expenseを計上ていきます。したがって、償却費の計上や支払利息の計上はしません。一方、Finance Leaseは固定資産として計上したROUをリース期間で償却しAmortization Expenseとして定額法で費用計上していく必要があります。さらにLease Liabilityの利息費用の計上もしていきます。本来、無形資産は減価償却累計額の計上を行う必要はありませんが、有形固定資産として計上した場合には、減価償却累計額の計上が必要となります。Operating LeaseもFinance Leaseも無形固定資産ということでは同じ性質ですが、Finance Leaseは、固定資産を購入したと同様にみなすため、ROUはより有形固定資産の性質に近いといえます。一方、Operating Leaseでは、固定資産の購入ではなく、あくまで固定資産を一時的に借りる権利であると考えるため、ROUは、他の資産計上されている権利資産(例えば、特許権や商標権など)と同じような無形固定資産としての性質が強いと考えられます。」


「そうか、勉強になったありがとう。」


米国公認会計士齊藤事務所 (www.saitollp.com, info@saitollp.com):齊藤幸喜

 

 

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