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税金相談室

2024年6月14日 13:00:00

Expatriation Taxについて

Inage Hawaii

Q. アメリカ市民権や永住権を手放す時に、税務上で気を付けなければならないことはありますか?

 

A. アメリカ市民権や長期永住権保持者(Long Term resident:過去15年の内、8年以上永住権を保持していた場合)で、アメリカ市民権や永住権を放棄した場合には、Form 8854(Initial and Annual Expatriation Statement)の提出が必要となります。このFormを提出しない限り、移民法上では放棄となっていても、税法上ではアメリカ市民権、永住権を放棄したとみなされません。


また、このFormを提出していない場合、$10,000のpenaltyが課される可能性がありますのでご注意下さい。

 

アメリカ市民権や長期永住権保持者で以下の3つの条件の内、一つでも満たしてしまうとアメリカ国籍離脱税の対象(Covered Expatriate)となる可能性があります。

 

1. アメリカ市民権・永住権放棄日以前の5年間の連邦所得税の平均年間所得税額が$201,000(2024年度)を超える場合

 

2. アメリカ市民権・永住権放棄日における純資産が$2,000,000以上の場合

 

3. アメリカ市民権・永住権放棄日以前の5年間で、連邦所得税の納税・申告義務がすべて履行されていることをform 8854で証明できなかった場合

 

アメリカ国籍離脱税の対象(Covered Expatriate)に該当した場合、アメリカ市民権・永住権を放棄する前日に全所有資産を市場価格で売却したものとみなし、そのみなし売却益(キャピタル・ゲイン)に対して所得税が課されます(mark-to-market tax:時価評価課税)。ただし$866,000(2024年度)の控除が認められていますので、この控除枠を超えた売却益に通常の確定申告書で使用する税率を適用し税金が課されます。一部の例外を除き、所有財産のほとんどが課税対象となるので、注意が必要です。


望月紀子

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