会計相談室
2022年9月2日 14:00:00
Bookkeepingを効率よく間違いのないようにするにはどうすればいいのじゃ?
「Bookkeepingを効率よく間違いのないようにするにはどうすればいいのじゃ?」会社経営者の鬣(たてがみ)がおもむろに会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称、譲謙(ゆずけん))に聞いた。「何かありましたか?」「うちの経理なんじゃが、どうも経理の流れがわかっていないようなんじゃ。それで、経理の数字がここ何か月もでてこないんじゃ。」「それは、困ったことになっていますね。早急に対策を打って実行しないと、問題が雪だるま式に大きくなって大変なことになるかもしれませんよ。」「えー、それは大変じゃ何とかならんか?」「まずは、現在、どんな状況なのか教えてください。」「まず、経理の責任者が支払先の請求書を受け取ってから、わしの許可を得て支払っておる。それから、その支払った証拠資料と支払先の請求書を経理課に回しているぞ。」「経理課員はbank statementを見ることが自由にできますか?」「それは許可しておらん。」「かなり、問題がありそうですね。」「何、どこが問題なんじゃ。」「まず、経理の記録をする前に支払いをしてしまっていることです。経理手続きでは一対一対応で処理をすることが原則です。」「一対一対応じゃと一体それはなんじゃ。」「一対一対応の原則とは、記録がなくして支払いなしということで、記録とお金の動きは必ず一対一で対応して動かなければならないという基本的な考え方です。記録(会計処理)もしないで、支払いを実行してしまうなどということは絶対にしてはならないことです。この場合、不正が起きたとしても発見はできなくなります。」「ほう、それは大変じゃ、どうすればよいのじゃ。」「まずは、記録を先にしてから、支払いを実行する方法に変更してください。それによって、適切な承認を受けたかどうかを確実に記録として残すことができるからです。記録を後にした場合には、適切な承認を得ていなくても支払いが可能になり、不正や使い込みが起きる原因になります。」「それは大変じゃ、すぐにやり方を変えよう。それ以外におかしいところはないか?」「経理課員がBank statementを見れないということです。」「これは、恥ずかしい話なんじゃが、昔、経理課員が会社の金を使い込んだことがあったので、それを防止するために始めたことじゃが、それがおかしいということか?」「不正を防ぐためには、同じ従業員にチェックのサイン権、チェックの保管権、記帳する権利を与えないことによって実現できます。たとえ経理課員にBank statementを見せてもチェックのサイン権とチェックの保管権さえ与えなければ、不正は起きなくなります。」「そうかこれから、そうしよう。」「そうです。経理の流れを正しいものして、権限の分掌を適切に行えば、不正はなくなり、経理数字も正しい数字がすぐに出るようになります。」「それじゃ、経理の大改造を行うぞ。ありがとう。」「どういたしまして。」
米国公認会計士齊藤事務所 (www.saitollp.com, info@saitollp.com):齊藤幸喜