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税金相談室

2000年9月5日 15:30:00

離婚と税金

Inage Hawaii

Q:2000年に離婚しました。税金上の注意点を教えてください。 

 


A:法的に離婚、あるいは法的に別居した場合、夫婦合算申告(Joint Return)はできません。

税率を適用する上での申告資格は、独身(Single)か、扶養家族がいれば特定世帯主(Head of Household)を適用します。 


 

別れた配偶者の生活費を事実上50%以上サポートしていたとしても、その人的控除(Personal Exemption・2000年2800ドル)は認められません。 


 


離婚に伴う不動産、現金、その他の財産の譲渡・分与は非課税であり、譲渡益も譲渡損失も税金上の報告の対象にはなりません。 


 


定期的に支払う離婚別居手当(Alimony)は、裁判所の命令に基づくもの、または成文化された契約に基づくものである場合に、支払者側は控除が認められ、受け取った側は課税対象となります。離婚別居手当の支払いは、調整総所得を算出する前の控除(所得調整控除)となるため、項目別控除方式、あるいは概算額控除方式のいずれの方式を採用した場合でも控除が認められます。 


 


子女養育費(Child Support)の支払いは、離婚別居手当とは逆に、受け取った側は非課税であり、支払った側は控除できません。 


 


本人が米国市民または居住外国人であり、前配偶者である非居住外国人に離婚別居手当を支払う場合に、気を付けなければならないことがあります。それは、30%の源泉徴収税を差し引いて、IRSへ納付する義務があるということです。当然送金額は税引後の圧縮額(70%)となります。海外に支払う子女養育費は、源泉徴収税の対象となりません。 


 


扶養控除(子供などの扶養家族の人的控除、2000年は1人2800ドル)は、通常50%以上の生活維持のサポートをしている納税者に認められますが、離婚者には特別なルールが適用されます。子供の扶養控除は、どちらの親に親権があるか、どちらの親が実際に経済上の扶養をしているかにかかわらず認められます。親権を持つ親は、たとえ親権を持たない方の親が100%扶養していたとしても、子供の扶養控除を取ることができます。税金の計算上、扶養控除の恩典をより効果的に享受できる方の親が控除を取るのが得策です。例えば一方の親が高額所得者であるため、人的控除・扶養控除は減額措置によってゼロとなる場合、この親が子供の扶養控除を取っても意味がないわけです。 


 


離婚に伴う弁護士費用は通常控除は認められません。例外的に離婚別居手当を受け取る側が、手当決定のために費やした弁護士費用を項目別控除の一つとして控除できます。ただし、調整総所得の2%の足切り制限の対象となるため、全額控除はできません。 


 


KPMG特別顧問米国公認会計士 大島襄 

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