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会計相談室

2018年9月2日 13:00:00

連結

Inage Hawaii

「譲矢(ゆずりや)さん、連結がどうも分からん。この前は投資が50%超えていなくても連結をしなければいけないと言っていたよな?そこをもう少し教えてくれんか?」会社経営者の鬣(たてがみ)は会計コンサルタントの譲矢謙吉におもむろに尋ねた。


「わかりました。連結には現在2つの基準があります。1つはvoting interest entity モデル(votingモデル)でもう1つはvariable interest entity (VIE)モデル(variable モデル)です。Voting(議決権)モデルは昔からある方法で、リミテッドパートナーシップ(LP)以外は議決権を50%を超えていたら連結しなさいというものです。LPはジェネラルパートナーが支配権を持っていると考えます。ただし、リミテッドパートナーが投票権によってキックアウト権を持っている場合には、支配権はそのリミテッドパートナーが持っています。」


「それは、わしにもわかるぞ」


「一方variableモデルは2003年に登場しました。」


「それは何じゃ?」


「議決権の割合を支配の基準にしないモデルです。損失負担義務などを負っている主たる受益者が連結をすることになります。例えば、出資をそれほどしていなくても多額の貸付けを会社にしていたり原料の供給などの契約で実質的に支配している場合です。」


「何かわかるような、わからないようなだな。まあ続けてくれ」


「両方とも最終的には財務的な支配権の有無を評価し、連結しなければなりません。連結するかしないかは次の順序で判定していきます。


1、対象が法律上の企業であるかどうか、法律上の企業でなければ連結の対象とはなりません。例えば、株式会社、パートナーシップ、リミテッドライアビリティカンパニーなどです。


2、連結基準の除外対象でないこと、倒産した会社などは支配権がもはや及ばないので連結対象から外れます。


3、variable モデルの適用対象外でないこと。非営利団体など、ある一定条件を満たす事業体はvariableモデルの適用対象にはなりません。variableモデルの適用外の会社はvoting モデルで連結の必要性を判定します。


4、対象企業に対してvariable interest(変動持分)を持っているか?変動持分とは議決権以外の全ての支配権と考えてよいです。例えば、貸付金、リース、サービスや材料の供給など様々です。variable interestを持っていなければ連結しません。


5、 対象企業はVIEか?VIEとは追加的な劣後債なしには経営ができない事業体や株主が損失を被ったり利益を得ることに制限が加えられている事業体です。株主が支配権をもっていない事業体です。VIEでないなら、votingモデルで連結するかを判定します。VIEならvariable モデルで連結するかを判定します。VIEでは持分保有者がパワーと重大な経済的な影響力を持っていた場合に連結をします。」


米国公認会計士齊藤事務所 (www.saikos.com, info@saikos.com):齊藤幸喜

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