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会計相談室

2008年1月11日 16:30:00

財務報告と内部統制について

Inage Hawaii

財務報告に関する会社の内部統制に対する経営者の責任とは何でしょうか? 


<A1> 監査人が財務報告に関する内部統制に対して監査を適切に終了するためには、経営者が以下のことをしていなければなりません。


①会社の財務報告に関する内部統制の有効性についての責任を自覚しており負っていること

②会社の財務報告に関する内部統制の有効性について適切な内部統制基準によって測定すること

③十分な書面による証拠によって評価を行うこと

④直近の期末日現在の財務報告に関する会社の内部統制の有効性について書面で報告すること。経営者はこれらの責任を全うしなければなりません。もしも、監査人が、経営者がこれらの責任を全うしていないと結論付けた場合、監査人は書面で経営者や監査委員会に財務報告に関する内部統制の監査が完了できなかったことと意見を差し控える旨を報告しなければなりません。 



経営者が行う会社の財務報告に関する内部統制の有効性の評価手続きとは何でしょうか? 


<A2>会社の財務報告に関する内部統制の有効性の評価手続きを決める過程で最高財務責任者と内部又は外部監査人は経営者が以下の項目を適切に重視しているか見極めなければなりません。


①財務諸表上の重大な勘定と開示項目の全ての要素に関係する統制項目のうちどの統制がテストされているのか。

一般的にここでの統制とは次の分野です。

(a) 財務諸表上の重大な勘定と開示に関する作業の開始、承認、記帳、手続の進行に関する統制

(b)一般に公正妥当と認められた会計基準に準拠した会計方針を選択することに関わる統制

(c)不正防止に関する統制

(d)情報技術等の他の統制が大きく依拠している一般統制

(e)重大で非定型的で不規則な取引、例えば、判断や予測の入り込む取引に対する統制

(f)全社レベルに関わる統制、例えば統制環境や期末決算処理の手続に関わる統制。決算処理に関わる統制とは、取引の合計を総勘定元帳にインプットする取引、決算仕訳を作成したり承認する取引、連結仕訳や表示振替仕訳のように財務諸表に非定型的および定型的な取引をインプットすることです。


②統制がうまく機能しない場合の誤謬の起こる確率や起きた場合の影響額、および、その統制のレベル

③複数ヶ所や複数部門の個々の場所や部門の評価

④統制の設計の有効性の評価④統制の運用面の評価。例えば、内部監査でのテストの結果や、自己調査の結果等です。

⑤財務報告に関する内部統制の欠陥の有無。それらは重大な欠陥や重要な弱点が起きている可能性やその影響です。

⑥発見事項についての監査人とのやりとり

⑦発見事項についての合理性の検証と経営者の判断の裏付についての評価 



<Q3>経営者の必要なレポートとは何でしょうか? 


<A3>経営者の内部統制に関するレポートの合理性についての確認をするために、最高財務責任者はそのレポートについて以下の内容を評価しなければなりません。


①財務諸表に関わる重要な勘定と開示について関係する要素に関する統制についての設計。ここでは内部統制の5つの構成要素が含まれている必要があります

②重大な取引がどのように開始され、承認され、記帳され、手続が行われ報告されるのか

③誤謬や不正による財務諸表の重大な歪みが発見される仕組みはどうなっているのか

④不正が予防されたり発見される仕組み。誰が統制を行い、どのような職務分掌が行われているか

⑤期末決算手続の統制

⑥資産の保全管理の状況

⑦経営者の実施した内部統制のテスト結果と評価の結論。書面は様々な形式が考えられます。紙、電子記録、さらに会計や経営方針や手続書、フローチャート等、会社の規模や内容により異なります。内部統制に関する十分な書面がない場合には、一般的に会社の財務報告に関する内部統制の重大な欠陥が存在することを意味します。  



米国公認会計士  

齊藤会計事務所

齊藤幸喜 

 

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