税金相談室
2023年9月8日 13:00:00
米国年金(Social Security Benefits)
Q. 米国年金(Social Security Benefits)を受給していますが、近々日本に帰国する予定です。米国年金は日本に行っても受け取れますか?
A. 米国年金を日本で受取るためには米国の銀行口座から日本の銀行口座への切り替えが必要です。Form SSA-1199-JA (振込口座依頼書) を記入し郵送して行うこともできますし、米国大使館領事部年金課の窓口でのお申し込みも可能です。
郵送の場合には、口座振込依頼書に必要事項を記入して、米国大使館・領事館に出向くか、もしくは、振込口座依頼書の2 ページ目に明記されている住所(フィリピンのソーシャル・セキュリティ海外運営事務所か、メリーランド州の社会保障事務所)へ郵送をします。
大使館へ赴く際には、まず電話やホームページ(連邦年金の管轄地域、連絡先、業務時間 一覧 - 在日米国大使館と領事館 (usembassy.gov)から窓口で対応を行っているか、予約が必要かについてご確認ください。申請してから銀行口座が変更されるまで、通常半年程度かかります。
Q. 米国年金(Social Security Benefits)はどのようにアメリカで課税されますか?また近々日本に帰国を予定してます。帰国後に日本で受け取る場合の課税はどうなりますか?
A. 課税になるかどうかは、その他の収入も合わせた年間総収入額によって決まります。また
収入額によって課税される金額の割合(0%~85%)が異なります。
2023年度の課税額表は下記になります。
課税所得の金額は、②総所得$25,000から$34,000までの所得$9,000(夫婦合算者は$32,000から$44,000までの $12,000)の50%か、受給年金額の50%のいずれか少ない方に③総所得の$34,000超(夫婦合算者$44,000超)の85%を加えた額と、年金の85%のいずれか少ない方になります。例を見てみましょう。
夫婦合算申告者の年間の年金給付額が$10,000、そしてその他の収入との合計収入が$40,500とします。年金の半額($10,000×50%=$5,000)との合計総収入額$45,500は$32,000以上のため②の計算をします。
総所得が $32,000から$44,000までの$12,000に対し50%をかけあわせた金額$6,000に、年金の半額である$5,000を比較し、低い方をとります(= $5,000)。こちらに③$44,000超の総所得($40,500 - $44,000 = $1,500)の85%($1,275)を加えます($6,275)。
そちらと年金の85%($10,000 X 85% = $8,500)を比較し、低い方($6,275)が最終課税所得になります。
課税対象額を算出する場合は、IRSのPublication 915にある計算シートをご利用ください。2022 Publication 915 (irs.gov)
日本に帰国後に米国年金を受け取る米国非居住者(アメリカ国籍や永住権を保持していない納税者)は、日米租税条約第17条によって居住地国課税の対象(居住国日本国でのみ課税)となります。該当する場合には、年金事務所で日本への住所変更をし非居住者であることを申請することで米国での課税はなくなり、年金所得だけのための米国確定申告書手続きも不要になります。ただし、日本への住所変更が完了となるまで時間がかかりますので早めに手続きをとられることをお勧めします。
http://www.saikos.com/news.php?itemid=331
ウェイ・イン(Wei Yin)