会計相談室
2011年7月22日 13:00:00
米国のBookkeepingについて (3)
Q. 米国のBookkeepingのソフトウェアでは何ができるのでしょうか?
A. 今回は前回に続き、米国のBookkeepingのソフトウェアで<できること>と<設定方法>について、米国で多くの企業が使用している「クイックブックス」という会計ソフトウェアを中心に説明をしていきたいと思います。
<できること>
9 クラスの設定:特定のプロジェクト毎の利益の集計、コミッションのベースとなる売上の集計、特定のベンダーへの支払いの集計等を行うことができます。
10 サンプル勘定科目表:勘定科目の設定はBookkeepingを始めるに当たって最も重要な作業の一つですが、全く何もないところから始めると時間が掛かってしまいます。会計ソフトウェアでは、業種ごとの勘定科目表のサンプルがあらかじめ用意されているので大変便利です。
11 オンラインバージョン:オンラインバージョンでは25名までユーザーを登録できます。ネットワークの設定等の煩雑さが一切ありません。
12 監査証跡:ごく一部を除いて過去の全ての取引について「誰が、いつ、何を行ったか」を追うことができます。
<設定方法>
1 期首残高の設定:売掛金や買掛金のオープンインボイスの全てを、請求書のオリジナルの日付でそのままインプットします。未落ち小切手はオリジナルの日付で相手勘定を同じ銀行口座にしてインプットします。期首残高を確定させるためには最終的には銀行勘定調整表が必要です。
2 修正仕訳による期首残高の設定:修正仕訳(Journal entry)でも期首残高を設定できます。棚卸資産の数量をインプットすることはできません。
3 アドミニストレーターの権限:アドミニストレータは全ての権限をもちます。登録された会計士はアドミニストレーターとほぼ同様の権限をもつことになります。
4 マルチユーザー:マルチユーザーの使用をする場合には、全てのユーザーが各自のコンピュータにソフトウェアをインストールしておく必要があります。
5 棚卸資産の登録:棚卸資産に摘要、販売・購入単価、勘定科目や売上税の課税非課税をあらかじめ登録しておくと請求書の作成時に大変楽になります。
6 パスワード管理:銀行口座毎などの細かなパスワードコントロールをしたい場合には、エンタープライズエディションが必要となります。7 メインテナンスリリースというソフトは発売後の会計ソフトウエアに不具合が見つかった場合に、それを修正するために配布されるものです。
齊藤幸喜