会計相談室
2015年1月30日 14:00:00
税金の話を教えて
「譲謙(ゆずけん)さん、タックスシーズンがきたのじゃが、今日は税金の話でもしてくれんかの?」
鬣(たてがみ)は会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称ゆずけん)におもむろに聞いた
「鬣さん、承知しました。まずNet Investment Income Tax(NIIT)から話します。これは2013年から施行された比較的新しい税金で、$200,000(Unmarried), $250,000(Married)$125,000(married separately)を超える金額か投資ゲインの金額の低い方に対して3.8%の追加所得税が課税されます。この他にも追加メディケアタックスがこれらの金額を超える給与所得部分に対して0.9%かかることになっています。注意してください」
「なっとういんベスト麺とタックスとは変な税金じゃな。だけど結構増税がされているなぁ。投資というと土地を売った場合には必ずかかるのか?」
「長期のキャピタルゲインは、税率が15%か20%で上記のNIITが追加で加算されるので、通常の所得税の最高税率の39.6%に比べると未だ優遇されています。しかしながら、全ての土地の売買がキャピタルゲインになるわけではありません。たとえば、土地を販売している事業をしている場合には、商品(棚卸資産)として扱われるので、キャピタルゲインにはなりません。また、過去5年のうち2年以上住居としていた住まいを売却して得たゲインは$500,000(singleは$250,000) まで所得に入れないことができます。」
「もしも、この家を売らずに貸していた場合はどうなんじゃ?」
「その賃貸業がロスだった場合で、$150,000を超える所得がある場合には賃貸の利益としか相殺できません。もしもそれを売った場合には、賃貸ビジネスのロスのうち繰り越された部分が他の所得と相殺できるようになります。」
「ところで、今年、ビジネスで車を買ったんじゃが、これは何かあるか?」「乗用車の減価償却はボーナス償却をいれると1年目で最高$11,160まで控除をとることができます。」
「話は、少し変わるんじゃが、個人でも会社を作った方が何かと節税ができると友達からきいたんじゃが、本当か?」
「Sole proprietorshipという個人ビジネスの場合には、賠償保険さえ十分につけておけば、アドミが最も簡単なのでお勧めです。また、SMLLC(Single-member Limited Liability Company)は税務上はSole proprietorshipとまったく同じで、一般事業ならSchedule C、不動産業ならE、農業ならFを用いて申告をします。この場合、会社の申告書はいりません。」
「それじゃ、普通の株式会社はどうじゃ?」
「C Corporationは、累進課税なので利益が小さいうちには税金が少なくなります。ただし、Personal Service Corporation(PHC)とみなされてしまうと一律39.6%の税率になってしまいます。もう1つ大きな欠点は二重課税になってしまうことです。」
「そうかよーくわかった。ありがとう」
米国公認会計士齊藤事務所 (SAITO LLP):齊藤幸喜