会計相談室
2019年11月15日 14:00:00
社債の発行費用はどうやって処理をする?
「譲矢謙吉さん、今度友人がアメリカで大きくビジネスを広げるにあたって、わしやわしの友達に資金の融通を申し込んできたのじゃが、会社では社債を発行して資金を集めようとしているんじゃ。社債とは何じゃ?」
「社債とは会社が投資家に証書を発行して資金を調達する方法です。社債には返済期日や利率が記載されていて借用証明のようなものです。」
「そうなのか、社債の発行にはどうやらけっこう社債発行費用がかかるらしい。アメリカでは社債の発行費用はどう処理するのじゃ?」
「アメリカでは社債発行費用は負債である社債の減額処理として計上を行います。これによって、会社の資金調達金額を正しく表すことができます。」
「しかし、そんな方法では、すでに支払った社債発行コストをどうやって費用にしていくんだ?」
「それは利息法という利率を使った方法で社債の借入期間で償却を行い、費用処理をしていくことになります。」
「それは実質的に借入利息を増やしたと考えているのか?」
「その通りです。社債はディスカウントをして発行されることがありますが、これと同じような考えです。」
「ディスカウントとは何だ?」
「例えば額面が$1,000の社債で資金を集めようとするのに実際には払い込みは$900でよい場合などです。」
「そうか、そうすると$900貸して$1,000戻ってくるわけか。」
「そうです。さらに利息も額面に対して定額でもらえます。」
「そのディスカウントも社債から減額して利息法とやらで償却していくのか?」
「そうです。利息法で償却し社債から減額します。」
「ところで、社債発行費は日本ではどんな方法をとるのだ?」
「日本では繰延資産として資産計上し、社債期間での償却を行います。会計上一括償却も認められています。アメリカもかつては資産計上をしていましたが、支出をすでにしているため資産性がないとのことで、負債の評価としての位置づけにしました。」
「そうかよくわかった。友人に教えてあげておく。」
米国公認会計士齊藤事務所 (www.saikos.com, info@saikos.com):齊藤幸喜