税金相談室
2007年1月18日 23:00:00
社会保障税
質問: 給与から源泉徴収されているソーシャル・セキュリティー税は、必ず支払わなければならないのでしょうか? 年金手当は日本に帰国しても受け取れますか? 答え: 米国の社会保障税であるソーシャル・セキュリティー税(SS税)とメディケア税は、一定の例外を除いて、給与や自営業事業所得などの役務所得に対して強制的に課税される税金であるため、必ず支払う必要があります。 社会保障税 ソーシャル・セキュリティー(SS)税とメディケア税は、給与所得者の場合は、FICA(Federal Insurance Contribution Act)税として、給与が支給される度に連邦所得税や州所得税などと共に源泉徴収されます。会社は雇用主分として同額を負担して、従業員分と雇用主分の合計額をIRS宛に納付しています。 自営業の場合は、自営業税の形でSS税とメディケア税を自分で支払います。 FICA税、自営業税とも、対象所得を得た人は、一定の例外(後述)を除いて誰でも納税義務を負います。将来、SS手当やメディケア手当の受給は必要ないという理由で、納税を回避することは許されません。 税率 SS税の税率は被用者6.2%、雇用主6.2%、課税対象上限給与は$97,500(2007年用。毎年変わります)、メディケア税の税率は被用者1.45%、雇用主1.45%、課税対象給与には上限設定がありません。自営業税はSS税の税率が12.4%、課税対象上限額$97,500(2007年)、メディケア税の税率2.9%、課税対象額の上限設定なしです。 ビザの種類による例外 A(外交官)やG(国際機関)のビザ保持者は、SS税およびメディケア税がたえず非課税扱いとなります。F(学生)やJ(交流訪問者)、M(専門学校生)、Q(交換訪問者)などのビザ保持者は、米国入国後の一定期間(2年ないし5年間)、被用者および雇用主ともSS税とメディケア税が非課税扱いとなります。 二国間協定による例外 5年以下の予定で米国に滞在するEビザやLビザの派遣駐在員は、日米社会保障協定が適用されて、日本の社会保障制度に継続加入することにより、米国のSS税とメディケア税が免除されます。日本での加入を証明する「適用証明書」を日本の社会保険事務所から交付を受け、米国の雇用主に提出する必要があります。 日米社会保障協定による加入期間の通算 社会保障年金は、原則として米国では10年間、日本では25年間加入して保険料を支払わなければ受給権を取得できません。日米社会保障協定の規定を適用することのより、日米両国の年金加入期間を相互に通算して年金受給権を獲得することができます。加入期間の通算とは、両国の加入期間をまとめて一方の国から年金を受け取るという仕組みではなく、それぞれの国で年金受給権を得るための期間要件を判断する場合に相手国の加入期間を通産するという仕組みです。従って、年金を受け取る時には日米両国の制度に加入した期間に応じた年金をそれぞれの国から受けることになります。米国での加入期間が1年半以上あり、日本での加入期間との通算合計が10年以上となり、62歳の年齢要件を満たしていれば、米国の年金を受け取ることができます。 日本へ帰国後の受給 SS年金の受給資格を満たした納税者は、たとえ日本に帰国して日本の居住者になっても、米国から手当を受け取ることができます。同時に日本の厚生年金や国民年金の受給資格を満たしている場合は、米国と日本の両国から年金を受け取ることが可能です。 税率 SS税の税率は従業員6.2%、雇用主6.2%、課税対象上限給与は$97,500(2007年)、メディケア税の税率は従業員1.45%、雇用主1.45%、課税対象給与には上限設定がありません。自営業税はSS税の税率が12.4%、課税対象上限額$97,500(2007年)、メディケア税の税率2.9%、課税対象額の上限設定なし。