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税金相談室

生命保険と税金

2007年9月20日

生命保険と税金

質問: 生命保険金には、日本およびアメリカで税金がかかりますか? 答え: 生命保険には大きく分けて、定期生命保険(Term Life Insurance)と終身生命保険(Whole Life Insurance)があります。定期保険は保険料の積み立て機能のない掛け捨て保険です。掛け金の金額は、終身保険と比べて低く、保険金を支払っている間だけ死亡給付金の支払いが保証されます。一方、終身保険は貯蓄型保険であり、掛け金を払い込んでいく間に投資運用によって利息や配当金などの収益が加算されていきます。収益は無税の現金価値(Cash Value)として積み立てられ、保険料の支払期間が終了した後も、死亡給付金の支払いが保証されます。積み立て機能は、年金や教育資金に利用されます。Universal Life、Variable Life などと呼ばれる生命保険は終身保険の変形です。 ●日本での課税 生命保険金の日本での税法上の取り扱いは、保険料掛け金を誰が負担していたか、死亡給付金の受取人は誰であるかによって、相続税の対象となる場合、一時所得として所得税の対象となる場合、または贈与税の対象となる場合とがあります。 所得税―保険料負担者が被保険者(死亡者、例えば夫)ではなく、死亡給付金の受取人(妻)である場合、受取人に所得税と住民税が課されます。ただし、所得の種類は受取人の「一時所得」となり、50%部分だけが課税対象になるため、実質税負担は受取保険金の25%以下となります。最高税率50%の相続税の半額となり、大変有利と言えます。生命保険の中途解約金や満期保険金の生存中の受け取りも、一時所得として所得税と住民税の対象となります。 相続税―保険料の全部を被保険者(死亡者、例えば夫)が負担して払い込んでいた場合、相続人が受け取る死亡保険金は相続財産となり相続税(最高税率50%)が課されます。その際、法定相続人一人当たり500万円の特別控除が認められます。例えば、妻と子三人が遺された場合、死亡保険金のうち2000万円が非課税扱いとなります。 贈与税―被保険者が夫、保険料負担者が妻、保険金受取人が子の場合のように、保険料負担者が被保険者(夫)および受取人(子)以外のときは、保険料負担者(妻)から受取人(子)に対して、保険金の贈与があったこととして、受取人(子)に贈与税(最高税率50%)がかかります。ただし、雇用主が負担した保険料は、被相続人(夫)が負担したことと見なされ、その保険金受取額は相続財産となります。保険料の一部を被保険者(夫)が負担し、残りの部分を保険金受取人(妻)が負担していた場合は、保険料の負担比率で按分した金額がそれぞれ相続財産および一時所得となります。 ●アメリカでの課税 所得税―生命保険の中途解約金や満期保険金の生存中の受け取りは、アメリカでは通常の所得税の対象となります。一方、死亡時に支払われる生命保険金、死亡給付金はアメリカでは所得税の対象になりません。 遺産税―死亡時に支払われる生命保険金、死亡給付金は、保険契約によっては、アメリカの連邦遺産税(Federal Estate Tax)の対象になる場合とならない場合とがあります。死亡した保険加入者(被保険者、例えば夫)が保険証書上、保険の所有者としての権利を有していると、死亡給付金が連邦遺産税(最高税率47%)の対象となります。 保険を掛けられている被保険者(保険加入者、夫)が、保険証書上、所有者としての権利や決定権(受取人の変更、保険契約の解約、保険証書の譲渡、保険に基づく借入れの権利)を有していない場合に、死亡給付金の支払いは連邦遺産税の対象外となります。新たに生命保険に加入するのであれば、税金を回避するには被保険者に一切の権利がないように契約することが必要です。既に契約している生命保険証書がある場合は、所有者としての権利や決定権をすべて相続人(妻)へ譲渡することにより、死亡給付金の支払いを連邦遺産税がかからないようにすることができます。ただし、死亡時から3年以上前に権利の譲渡が完了していなければなりません。 自分の所有財産の合計額に対して相続税がどのくらい課税されるか、生前から相続税対策を立てておくことが勧められます。万が一の時の相続税を預貯金などで用意できればいいのですが、土地・建物などを処分しなければ相続税が払えないことがあります。そのような場合のための納税資金対策に生命保険を活用することが一般的です。死亡時に支払われる生命保険金を相続税の納税資金として充当できます。相続税に見合う生命保険契約があれば、いつ相続が発生しても対処できるわけです。

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