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税金相談室
2018年3月12日 4:00:00
永住権保持者の贈与税・遺産税上の取り扱い
永住権保持者の贈与税・遺産税上の取り扱い
永住権(グリーンカード)保持者は、所得税法上たえずResident Alien (居住外国人) として米国市民と同等の扱いを受けることは周知の通りです。永住権を保持していると自動的に米国居住者になるという決まりは、所得税の取り扱いについてだけ言えることであり、贈与税・遺産税の取り扱い上適用されないことはあまり知られていません。贈与税・遺産税法上、外国人の居住者・非居住者の判定には、Domicile (定住地) と呼ばれる概念が適用されます。 Domicile とは、本人がいずれは戻って来ると考えている故郷のような場所のことで、贈与税・遺産税法上、それが米国内にあれば「居住者」、米国外にあれば「非居住者」 と判定されます。本人の意思に基づくこの主観的な判定基準を適用すると、ビザで米国に滞在する全ての外国人は、Domicileが米国にないため非居住者となります。老後米国滞在を続けるか帰国するか定かでない永住権保持者も、非居住者になります。国際結婚をして子供は米国籍であり、死後本人は米国のお墓に入るつもりの永住権保持者は、居住者と判定されます。
米国市民に認められる連邦遺産税の基礎控除は1,120万ドル(2018年)です。米国を Domicile とする永住権保持者(居住外国人) にも 1,120万ドルの非課税枠の全額が認められます。非居住外国人は日米遺産税条約第4条の適用により、米国内遺産が全世界遺産に占める割合で計算した按分配賦額 (1,120万ドルの一部) を非課税にすることができます。
米国公認会計士 大島襄
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