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会計相談室

2021年6月25日 14:00:00

新リース会計基準での注意点

Inage Hawaii

「譲謙(ゆずけん)さん、先日教えてもらったリース基準についてもう少し教えてくれんか?」会社経営者の鬣(たてがみ)はおもむろに会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称、譲謙に聞いた。「いいですよ」「まずは、貸す方と借りる方はどんなリースになるのじゃ?」「借りる方はファイナンスリースかオペレーティングリースになります。さらに資産と負債を認識しなければなりません」「ファイナンスリースとかオペレーティングリースとは何じゃ?」「ファイナンスリースは、リースなのにお金を借りて資産を購入したという処理をするものです。オペレーティングリースは、購入ではなく、単純に資産を借りて使用しているというリースです」「貸す方はどうなんじゃ?」「貸す方は、セールスタイプリース、ダイレクトファイナンスリース、オペレーティングリースに分類します。5つの条件のうち1つでも当てはまると、借り手はファイナンスリースとして処理を行い、貸し手はセールスタイプリースとして処理しなければなりません。すなわち、貸し手が借り手に割賦で資産を売却したと考えます。5つの条件は1. 所有権がリース契約終了時に貸し手から借り手に移る契約、2.借り手がかなり確実に実行するようなパーチェスオプションがついている場合、3.リース期間が資産の経済耐用年数のほとんどの場合、4.リース支払総額と借り手が保証している残存価値の合計の現在価値がリース資産の時価と同額か、実質的に超えていること、5.特別仕様による資産で、そのリース期間が終了したら、他に転用できないものです」「そうか、それじゃ、それらの条件に合わないリースはどうなるのじゃ?」「5つとも満たさない場合には、借り手はオペレーティングリースとなります。貸し手も、次の2つの追加の条件も満たさないとオペレーティングリースとなります」「何、場合によっては借り手と貸し手は違う処理になるのか」「そうです。貸し手の2つの条件とは1.リース支払総額と残存価値の現在価値がリース資産の時価と同額か、実質的に超えていること2.貸し手がリース料金と残存価格を回収すること。これらの条件がそろうと貸し手はダイレクトファイナンスリースとして扱います」「ダイレクトファイナンスリースってのは何のことだ?」「ダイレクトファイナンスリースとは簡単にいうと貸付金です。貸し手は(もの)を貸しているのではなく、お金を貸しているという処理になります。ダイレクトファイナンスリースもセールスタイプリースもリース資産自体は貸し手の貸借対照表には計上されなくなります」「ふーん、わかった。ありがとう」


米国公認会計士齊藤事務所 (www.saitollp.com, info@saikos.com):齊藤幸喜

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