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会計相談室

新しい監査品質マネジメント基準(New Quality Management Standards)その2

2025年8月22日

新しい監査品質マネジメント基準(New Quality Management Standards)その2

「譲謙(ゆずけん)さん、新しい監査の品質マネジメント基準の続きを教えてくれ。」会社経営者の鬣(たてがみ)が会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称;譲謙)に聞いた。


「はい、それでは前回の続きのマッピングドキュメントからいきます。「マッピングドキュメント」とは監査の品質マネジメント基準の規格、リソース、ツールなど、関連する全てのリソースを1ページにまとめたものです。」


「それは、確か品質マネジメント基準(Statements on Quality Management Standards (SQMS))に規定されている8つの構成要素でできていると言っていたよな。」


「その通りです。」


「それはいったいどうなっているんじゃ?」


「まとめますと次のようになっています。

1.       事務所のリスク評価プロセス ⇒ 品質マネジメントシステム(System of Quality Management ( SQM))の一環として事務所がプロセスを確立します: 事務所が品質管理におけるリスクベースアプローチを実施する際に従うべきプロセスと 品質目標の設定、品質目標達成に対する品質リスクの特定と評価、そして評価された品質リスクに対処するための対応策の策定を行い実施します。


2.       ガバナンスとリーダーシップ ⇒ SQMが動作する環境を確立します:企業の文化、リーダーシップの責任と説明責任、事務所の組織構造、役割と責任の割り当て、資源の計画と配分などを扱います。


3.       関連する倫理的要件 ⇒ エンゲージメントのパフォーマンスの基礎となる具体的な倫理要件を明確にします: 事務所およびその従業員による関連する倫理的要件の遵守に取り組みます。 また、事務所外の他者に適用される範囲において、関連する倫理的要件にも取り組みます。


4.       顧客との関係および特定の業務の受諾と継続 ⇒ エンゲージメントのパフォーマンスの基礎となる具体的な業務を明確にします: 顧客関係または特定の業務を受諾または継続するかどうかに関する事務所の判断を扱います。


5.       エンゲージメントパフォーマンス ⇒ エンゲージメントのパフォーマンスの根本となります: 質の高い監査業務の一貫した遂行を促進・支援するための監査事務所の活動(指導、監督、レビュー、協議、コミュニケーション、意見の相違の解決など)のことです。 監査チームが職業的専門家としての判断を行使し、また、監査業務の性質および状況に応じて、職業的専門家としての懐疑心を行使できるよう、監査事務所がどのように支援しているかも含みます。


6.       リソース ⇒ 他のコンポーネントの操作を可能にします:SQMの設計、実装、運用を可能にするためにリソースの取得、開発、使用、維持、割り当て、および割当をタイムリーに実施します:社内およびサービスプロバイダーの技術、知的、人的リソースに関する要件も含みます。


7.     情報通信 ⇒ 他のコンポーネントの操作を可能にします: SQMに関する情報の取得、生成、使用、および社内および社外関係者への情報の伝達をタイムリーに行い、SQMの設計、実装、運用を可能にします。


8.     監視と修復プロセス ⇒ SQMの一環として事務所が確立したプロセス:  SQMの設計、実装、運用に関する関連性、信頼性、および適時の情報を事務所に提供し、 欠陥への適切な対応策を講じ、欠陥が適時に是正されるよう努めます。」


「ほう、これは使いやすいな。ありがとう。」


米国公認会計士齊藤事務所(Saito LLP):齊藤幸喜  (www.saitollp.com, info@saitollp.com)

 

 

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