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会計相談室
新しい監査品質マネジメント基準(New Quality Management Standards)
2025年8月15日

新しい監査品質マネジメント基準(New Quality Management Standards)
「譲謙(ゆずけん)さん、新しい監査の品質マネジメント基準が今年から始まると聞いたんじゃが本当か?」会社経営者の鬣(たてがみ)が会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称;譲謙)に聞いた。
「はい、本当です。米国公認会計士協会(AICPA)が公表した品質マネジメント基準(Quality Management Standards(QMS))です。それまであった品質コントロール基準(Statements on Quality Control Standards(SQCSs))を改良したものと考えてよいと思います。」
「それにはいろんな基準が含まれていると聞いたんじゃが、何を含んでいるんじゃ?」
「はい、まずは、AICPAの品質マネジメント基準(Statements on Quality Management Standards (SQMS))のNo.1, No. 2 & No.3です。次にAICPAの監査基準(Statements on Auditing Standards(SAS))のNo. 146、3番目は AICPA会計及びレビューサービス基準(Statements on Standards for Accounting and Review Services(SSARS))のNo.26で、最後にAICPAの証明業務基準(Statements on Standards for Attestation Engagements)のNo.23です。したがって、SASs、SSARS、とSSAEsに基づいたサービスを提供している会計事務所はQMSを準拠しなければなりません。」
「ほう、たくさんあるのう。何でこんな基準を導入しなければならないんじゃ?」
「QMSによって、各会計事務所の品質コントロールシステムを強化し、リスクベースのアプローチを取り入れることで、事務所の規模、サービス内容、リスクプロファイルに見合った品質マネジメントシステムを導入するためです。これらの基準には、2つの新たな品質コントロール(ネットワークとサービスプロバイダー)と事務所の品質強化の改定を含んでいます。」
「いったい、いつまでに導入しなければならんのじゃ?」
「導入期限は今年2025年の12月15日です。品質マネジメントシステムの評価は2026年12月15日までに行い、その後は毎年実施しなければなりません。」
「ほう、それは大変じゃ。この基準はそんなに重要なのか?」
「はい、品質マネジメント基準は、従来からあった品質コントロール基準の要件を近代化し、現在重要視されているリスク評価やテクノロジーの変化や外部のサービスプロバイダーの使用頻度の高まりに適応していくためのものです。さらにこの基準は事務所の大きさや性質、業務内容に応じてカスタマイズすることも推奨されています。」
「この基準導入のために何をしなければならないのじゃ?」
「それは各事務所がどこから出発するかによって変わってきます。いずれにしてもまずは、先に説明した4つの関連する基準を読んで理解する必要があります。」
「それから、どうするのじゃ?」
「次にAICPAが公表している品質コントロールと品質マネジメントのマッピングドキュメントを見ていきます。マッピングドキュメントからは、既存のポリシーの変更が必要な点を把握したり、そのまま活用できる点を把握していきます。」
「マッピングドキュメントには何があるんじゃ?」
「マッピングドキュメントはSQMSに規定されている次の8つの構成要素で出来上がっています。①事務所のリスク評価プロセス、②ガバナンスとリーダーシップ、③倫理要件、④業務の受託と継続、⑤エンゲージメントのパフォーマンス、⑥リソース、⑦情報とコミュニケーション、⑧モニターリングと修復プロセス、です。」
「それじゃ、今回はこれまでにして次回はマッピング方法から教えてくれ。」
「かしこまりました。」
米国公認会計士齊藤事務所(Saito LLP):齊藤幸喜 (www.saitollp.com, info@saitollp.com)
