税金相談室
2007年2月9日 23:00:00
教育費控除
質問:教育費の控除について説明してください。
答え:教育費の控除には、授業料の税額控除や学生ローン支払利子控除、教育費の所得控除の制度があります。
①授業料の税額控除
大学授業料などの教育費は、「HOPE税額控除」または「生涯学習税額控除」のどちらかを選択して控除することが認められます。
「HOPE税額控除」は、高校卒業後、学位(または証書)取得目的で在学する最初の2年間の大学授業料について、$1,650分が税額控除として認められる制度です。一方の「生涯学習税額控除」は、学位や年数に関係なく大学や大学院、専門学校の学費について2,000ドル分が税額控除として認められる制度です。
教育費税額控除を受けるための条件は次の通りです。
・「HOPE税額控除」と「生涯学習税額控除」のいずれかを選択し、フォーム8863を添付提出する。
・教育機関が学生に発行するフォーム1098-Tに記載された授業料の金額を報告する。
・高額所得者は税額控除を受けられない。独身の調整総所得が4万5000と5万5000間、夫婦合算申告の調整総所得が9万ドルと11万ドルの間で税額控除は段階的に消滅する。
・適格教育費の支出が二人以上分ある場合、「HOPE税額控除」は複数分認められるが「HOPE税額控除」は2000ドルが最高限度額
②学生ローン支払利子控除
学生ローン(教育ローン)支払利子のうち、2500ドル分について所得調整控除の形で控除が認められます。学生ローンとして、大学や大学院、専門学校、職業訓練機関の授業料、教科書代といった学費ばかりでなく、勉学中の寮費、食費、交通費等に費やしたローンが含まれます。控除対象となるのは納税者本人、配偶者、または扶養家族で、最低でもフルタイム学生が履修登録する授業の半分以上を取っていなくてはなりません。
高額所得納税者は所得レベルによる段階的削減規定の対象となります。すなわち、総所得が夫婦合算申告で10万5000ドルと13万5000ドルの間、独身5万ドルと6万5000ドルの間で段階的消滅の対象となります。親の申告書上、扶養家族となっている場合、および、既婚者で個別申告をする場合は、学生ローン支払利子控除は認められません。後の年度に親の扶養家族でなくなった場合や、夫婦合算申告を選択するようになった場合には、控除が認められます。
③教育費の所得控除
給与所得者が勤務活動の一環として雇用主のために支出した教育費で、会社からの返済額を超過した金額が項目別控除のひとつとして所得控除の対象となります。ただし、他の勤務活動経費との合計額が調整総所得の2%を超えた部分が実際に控除できる金額です。
納税者の現職に関する知識や技能の維持、向上に役立つ教育費だけが控除の対象となります。授業料、教科書代、教材費、交通費も含まれます。卒業後または修業後、新しい職業に就職できるような場合の教育費、(例えば、ロースクールの授業料、公認会計士受験講習料など)は、控除が認められません。駐在員の英語の勉強にかかる授業料などは仕事のためであり、控除対象と考えられます。
そのほか、大学教育費のうち授業料の4000ドルまでが所得調整控除として認められます。納税者、配偶者、扶養家族の授業料や登録料、学校を通じて購入する教材費が含まれます。寮費、教科書代、交通費は含まれません。大学、短大、大学院、専門学校で四半期学期以上受講することが求められます。調整総所得が独身6万5000ドル以下、既婚者13万ドル以下でなければなりません。2006年までの時限立法です。