日米会計税務アドバイザリーサービス
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会計相談室
年金の税務
2019年11月15日

「譲矢謙吉(ゆずりやけんきち)さん。わしの日本の友人なんじゃが、アメリカの公的年金や個人年金、アニュイティなどを日本で受け取ろうとした場合のことを心配しているんじゃ。どうしたらいいんじゃろう。」会社経営者の鬣(たてがみ)は会計コンサルタントの譲矢謙吉(通称、ゆずけん)におもむろに尋ねた。
「 日本居住の日本人が日本でアメリカの公的年金を受け取る場合、アメリカで日本居住の届け出を適切にソーシャルセキュリティー事務所に提出していれば、日米租税条約17条により、居住国日本でのみ課税となります。」
「ほうそうか。それは簡単じゃのう。そうすると、個人年金やアニュイティの場合はどうじゃ?」
「個人年金、アニュイティも金融機関にForm W-8 BENを提出し適切な処理をしてもらえれば、アメリカ国内でForm 1099Rは発行されず同様な処理になります。」
「そうかそれも簡単じゃな。しかし、友人はW-8BENを出したにもかかわらず、Form1099Rが出てしまったらしいぞ。」
「もしも、金融機関で適切な処理がなされずForm 1099Rが発行されてしまった場合にはアメリカの会計士などの専門家にまずは相談することをお勧めします。」
「それじゃ、日本に住んでいるグリーンカード保持者のわしの友人はどうなるんじゃ?」
「日本居住のアメリカ人やグリーンカード保持者は、特別な扱いになります。そのようなステータスの方は、アメリカでも日本でも税務上の取り扱いは居住者となってしまいます。そこで、両国で両方の年金の申告を行う必要がでてきます。両方で個人年金やアニュイティの申告を行い、アメリカの申告では日本の年金について外国税額をとり、日本の申告ではアメリカの年金について外国税額控除をとるという方法が考えられます。」
「そんな難しいのか?」
「はい、ただし、この取り扱いについては専門家のあいだでも見解が分かれているので、ご自身の会計士にまずは相談することをお勧めします。」
「こんどは逆にアメリカに来ている日本人の友人が日本の年金の源泉徴収を止めたいと言っているんじゃが、どうすればいいんじゃ?」
「アメリカ居住の日本人が日本の年金の源泉徴収を止めたり、日本の配当や利子の源泉税に日米租税条約の軽減税率を適用してもらうためには、アメリカの居住証明が必要になります。」
「それはどうすればとれるんじゃ?」
「アメリカの居住証明はIRSにForm8802(Application for U.S. Residency Certification)を提出して取得します。提出すると30日以内に「居住証明書(Certificate of Residency: Form 6166)」 が送られてきます。」
「ふむふむわかった。友人に知らせておく、ありがとう。」
米国公認会計士齊藤事務所 (www.saikos.com, info@saikos.com):齊藤幸喜
