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税金相談室

2007年5月11日 22:00:00

居住者証明書と申請手数料の新設

Inage Hawaii

質問: 米国居住者が日本から利子や配当、年金、慰謝料、著作権使用料などを受け取る際、日米租税条約による税の減免の適用を受けるために必要とする米国の居住者証明書の取得方法を教えてください。 答え: 居住者証明書は米国内国歳入庁(IRS)へ申請することにより取得できます。2006年10月2日以降の申請には、新たに申請手数料の支払いを必要とします。 日本と米国の間で支払われる次の所得は、日米租税条約の条件を満たすと、相手国の源泉税(米国30%、日本20%)が大幅に軽減されます。 ○配当金――――-――――0%/5%/10%(第10条) ○利子―――――――――0%/10%(第11条) ○使用料(特許権、著作権、印税など)――0%(第12条) ○退職年金―――――――0%(第17条) ○離婚慰謝料――――――0%(第17条) 例えば、米国に居住する日本人が、日本から厚生年金手当を受け取る際、日米租税条約の手続をすれば、源泉税を課されることなく日本から全額送金を受けることができます。米国の現地法人子会社が日本の本社に支払う配当金は、米国源泉税なしに送ることができます。 日本と米国以外の第三国居住者による条約の濫用を防止するため、一定の基準を満たした適格居住者だけが条約の恩典を受けることができます。日本で租税条約の特典を受けるためには、「条約届出書」を提出しなければなりません。条約届出書には、氏名、住所、所得の種類などの必要事項を記載し、米国の居住者証明書を添付する必要があります。 居住者証明書とは、IRSが発行する「納税申告証明書」Certification of Filing Tax Return(フォーム6166)のことです。確定申告を提出していない場合は、原則として納税申告証明書を取得できず、租税条約による税の減免措置は受けられません。 納税申告証明書(居住者証明書)は、申請フォーム8802(Application for U.S. Residency Certification) に必要事項を記入してIRSへ申請することにより入手できます。2006年10月2日以降、新たに申請手数料の支払いを必要とします。35ドルの“U.S. Treasury”宛ての小切手または銀行為替を申請書に添付して提出します。金額は、1部~20部35ドル、21部~40部40ドル、41部~60部45ドル、61部~80部50ドルです。支払が同封されていない申請書は受理されず、返送されます。 適格居住者としての納税証明を受けることができる年数は、過去3年間です。非居住外国人フォーム1040NRや外国法人フォーム1120Fで申告していた場合は、申請できません。同一年度に日米両国の居住者(双方居住者)として申告していた場合、条約の判定上は米国居住者となるという証拠を提出しない限り、居住者証明書は発行されません。海外在住の米国市民および永住権保持者が、海外役務所得控除(フォーム2555)を申告している場合は、条約による低減税率の適用を受ける根拠の提出を求められます。5000ドル超の外国税額控除を申告した場合、あるいは、役務所得に係る税金について外国税額控除を申告した場合は、米国居住者の証明、および、日本で課された税金は日本居住者であるが故に課されたのではない旨の証明を提出しなければなりません。 申請フォーム8802は、個人ばかりでなく、法人、パートナーシップ、信託などすべての納税組織が使用します。個人の場合の記入事項は、申請者および配偶者の氏名、納税者番号、住所、市民、永住権、居住者、二重身分の別、ビザの種類、申告書フォームの種類、証明書を必要とする年度、国名(日本)、追加情報などです。最後に申請者が署名をして、申請手数料の小切手と証明書類を同封のうえ、IRSの所定提出先へ郵送提出します。確定申告書の写しを添付提出すると、証明書発行プロセスを早めるのに役立ちます。 逆に米国からソーシャルセキュリティー手当や利子、配当、離婚慰謝料などを受け取る日本居住者は、日米租税条約によって米国源泉税の減免措置を受けることができます。日本の「条約届出書」に相当するのが、米国のフォームW-8BEN というIRS様式です。フォームW-8BENは、IRSへ提出する書類ではなく、米国の所得を受け取る日本居住者や日本法人が作成、署名して提出し、支払を行う米国居住者や米国法人が保管します。米国の規定では、日本の「居住者証明書」によって日本居住者や日本法人が適格居住者かどうかを証明する必要はありません。

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