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税金相談室

2007年4月10日 22:00:00

居住者証明

Inage Hawaii

質問:アメリカ在住の日本人です。日本法人が発行した株の配当金をアメリカで受け取る際、新日米租税条約に基づいて日本側で10%に軽減された新源泉税率が適用となると理解していますが、その手続きを教えてください。


答え: 2004年7月1日、新日米租税条約が適用となりました。投資所得に対する源泉税が大幅に軽減されたため、新条約には日本とアメリカ以外の第三国居住者による条約の濫用を防止するため、一定の基準を満たした居住者に対してのみ条約の恩典を与えることとし、条約第22条に包括的な条約濫用防止規定である特典制限条項が盛り込まれました。


従来から、日本で租税条約の特典を受けるためには、「条約届出書」の提出を必要とします。新条約の特典制限条項に対応して2004年5月20日、法令解釈通達により、条約届出書の改訂様式が発表されました。従来の記載事項は、氏名、住所、所得(配当)に関する事項だけでしたが、新届出書にはこれら基本事項に加えて、①特典制限条項に関する付表の添付、②条約相手国の納税地および納税者番号の記入、および、③居住証明書の添付、を新たに必要とします。


上記3項目のうち、①の特典制限条項の添付は、個人納税者には求められていません。②の納税地・納税者番号は、米国の州市名とソーシャルセキュリティー番号(またはITIN番号)を記入します。③の居住証明書は、IRSから発行される「居住者証明書」(フォーム6166)を添付提出します。


IRSは2004年6月、「居住者証明書」発行のための新しい申請書フォーム8802を発表しました。2004年7月5日以降、「居住者証明書」の発行を必要とする場合、フォーム8802による申請が義務付けられます。これまで納税者は、手紙で「居住者証明書」の発行をIRSへ願い出なければなりませんでした。申請のための一定様式が無かったため、手紙の内容が不十分で「居住者証明書」の発行が滞ることが頻発しました。新しい申請書フォームの発表により、今後「居住者証明書」は、よりスムース(30日以内)に発行される筈です。


フォーム8802の記入項目は次の通りです。

1.申請者の氏名、納税者番号(ソーシャルセキュリティー番号またはITIN)、夫婦合算申告の場合、配偶者氏名、納税者番号(ソーシャルセキュリティー番号またはITIN)。

2.申請者の住所。

3.居住者証明書の送付先(申請者住所、被委任者住所、被指定人住所)。

4.申請者の区別。

a.個人

b.パートナーシップ

c.信託

d.遺産

e.法人

f.S法人

g.従業員福利制度

h.非営利団体

5.申告書の提出義務がある場合、その種類、フォーム990、1040、1041、1065、1120、1120S、5227、5500のいずれかにチェックして7へ進む。

申告書の提出義務がない場合、未成年の子、外国パートナーシップなどのいずれかにチェックして6へ進む。

6.申請者の親、または親組織が提出を必要とされる申告書の種類。

7.証明書を必要とする暦年年度。

8.証明書の根拠となる課税年度。

9.証明書の目的。所得税、付加価値税、その他のいずれかにチェック。

10. 証明書を必要とする国名と証明書の枚数。

11. 追加情報。

最後に申請者が署名をして、IRSの所定提出先へ郵送提出すると、30日以内に「居住者証明書」(フォーム6166)が送られてきます。


日本の投資家が租税条約による米国源泉徴収税の減免措置を受けるために必要とする日本の「条約届出書」に相当するのが、フォームW-8BEN というIRS様式です。

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