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会計相談室

2010年8月25日 13:00:00

国際会計基準(IFRS)

Inage Hawaii

Q. 国際会計基準とその設定主体である国際会計基準審議会はどのような経緯でできあがったのでしょうか?


A. 現在、国際会計基準審議会(IASB)が国際会計基準(IFRS)の設定に関する責任を負っています。しかしながら、IASBは国際会計基準に影響を与えているさまざまな団体の一つでしかありません。IASBが設立される前は、国際会計基準委員会(IASC)という組織がありました。 IASCは1973年から2001年まで活動していました。IASCは1973年にオーストリア、カナダ、フランス、ドイツ、日本、メキシコ、オランダ、イギリスおよび米国のそれぞれの会計組織の合意によって設立されました。これらの国々はIASCの意思決定機関でもありました。77年には、これらの国々の会計組織の職業会計士の国際的な組織が組織され、国際会計士連盟(IFAC)が設立されました。1981年には、 IASCと IFACは、 IFACが国際会計基準を設定する団体であるとの合意に至りました。同時に、 IFACの全てのメンバーはIASCのメンバーになりました。この変革は、IASCの組織再編の一部として実施されました。2001年になるとIASBがIASCの業務を引き継ぐことになりました。IASBはIASC財団(IASC Foundation)の下であらゆる利害関係から独立した会計基準の設定団体となっています。IASC財団の受託管理者は財団の管理と財産の確保に責任を負っています。IASBの本拠地は英・ロンドンにあり、9カ国から14人のメンバーによって構成されています。米国はその構成国の一つです。拠出金は世界中の、大手の会計事務所、一般の金融機関や会社、中央銀行や開発銀行、その他国際的な組織からなされます。IASBの情報はウエブサイトwww.iasb.org から入手できます。国際会計基準(IFRS)のその後の変遷は、2002年にEU(欧州連合)が05年から公開会社にIFRSを適用することを決定しました。03年にはIASBが最初の新基準であるIFRS1を発行しました。05年にはEUの25カ国のうち約7,000社の公開会社がIFRSを採用しました。06年には、IASBと米国財務会計基準審議会(FASB)がIFRSとU.S.GAAPの転換について方針を決めました。同年、中国ではIFRSの採用を決めました。07年には、ブラジル、カナダ、チリ、インド、日本、および韓国がIFRSの採用か転換の日程を決めました。同年、SECはIFRSを採用する外国企業について、U.S.GAAPとの差額調整表の作成を免除しました。08年には、イスラエル、マレーシア、およびメキシコがIFRSを採用しました。現在は100を超える国がIFRSの採用または転換を表明してます。

 

齊藤幸喜

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