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税金相談室

2011年5月23日 4:00:00

国境を越える贈与・相続 (3)

Inage Hawaii

国境を越える贈与・相続(3)


日本から米国居住者への贈与


日本に住む親から米国に住む子への贈与は、日本と米国のそれぞれの国で贈与税の対象となるかどうかを検討しなければなりません。その際、贈与者と受贈者の国籍や居住者・非居住者の別、財産の所在国、財産の種類などが課税・非課税の決め手となります。


日本国籍がある日本居住者から日本国籍がある米国居住者(グリーンカード、Eビザ、Lビザ、Hビザ等)への、日本の無税贈与枠である基礎控除(110万円)を超える財産の移転は、財産の所在国や受贈者の海外滞在年数の長短に関わりなく、日本の贈与税が必ず課せられます。受贈者が米国籍保持者で、日本国外財産が関わった場合は、日本の贈与税は課せられません。二重国籍者は日本国籍があるため、日本の贈与税を免れることはできません。


米国では、贈与税の納税義務者は受贈者(贈与を受けた人)ではなく贈与者(贈与を贈った人)であり、日本とは逆になっています。贈与が米国の贈与税の対象になるかどうかは、贈与された財産の所在国がどこであったか、財産の種類が何であったかによります。まず、贈与税が課せられるのは、財産の所在国が米国であった場合だけであり、日本など米国外であった場合は、納税義務者(贈与者)である日本在住の親は課税対象から外されて、米国贈与税は課税されません。米国国内財産の移転であっても、財産の種類が有形資産であれば課税対象となり、無形資産であれば非課税です。


米国公認会計士 大島襄

 

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