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会計相談室

2018年2月5日 14:00:00

取締役会ってなんじゃ

Inage Hawaii

譲矢謙吉(ゆずりやけんきち)さん、うちはアメリカの会社なので取締役会があるのじゃが、実は取締役会の意味や役割がよくわかっていないんじゃ、教えてくれんか?」会社経営者の鬣(たてがみ)が会計コンサルタントの譲矢に尋ねた。


「承知しました。取締役会というとCEOを操り人形にしようとしている委員会のイメージを持っている人がほとんどだと思います。しかしながら、実際の取締役会は会社の様々な活動、運営、財務を管理する(取締る)個人が集まった委員会です。」


「何だか難しそうだのう。」


「もう少し具体的にいうと会社の規定に沿って会社運営がされているのか、戦略的な目的が立てられているか、その他CEOの成績を継続的にみていきます。そして会社に十分な財務基盤があるか、年間予算の承認をしたり、上級管理職の報酬の決定なども行います。」


「ずいぶんと重要なことを決めるんじゃな。ところで法律上の責任はあるのか?」


「もちろんです。しかしながら、組織の種類や性質によります。例えば上場会社の取締役の責任は非上場会社の取締役に比べてもっと重く複雑です。取締役会は通常そのメンバーの中から代表 (Chairperson)を選びます。正式なタイトルは会社設立時の附則や登記簿に記載されます。メンバーシップの組織では通常組織の社長を選出します。そしてその社長は代表取締役になります。」


「社外取締役と社内取締役の違いは何じゃ?」


「社内取締役はCEO、上級管理者、大株主、労働組合の代表、借入金の貸主や地域社会の代表を含みます。上級管理者である取締役は執行役員とよばれますが、財務、マーケティング、人事、製造などの専門分野をそれぞれ引き受けています。外部取締役は組織からは雇われてはおらず、利害関係者の代表ではありません。」


「何となくわかったような気がするが、なぜ社外取締役が必要なんだ?」


「社外取締役は内部取締役では得られないような外部での経験と展望を取締役会に吹き込みます。」


「ところで取締役会の人数はどれくらいじゃ?」


「通常、5人から24人です。最近のトレンドは6~7人の小さな取締役会です。8人目からは取締役会の効率性を著しく下がるとの調査結果が出ています。」


「そうか、多すぎてもダメなんじゃな。その他に役割などはあるか?」


「監査委員会の選定を行います。監査委員会は独立で少なくとも委員の一人は財務の専門家でなくてはなりません。」


「そうか、よくわかった。決して取締りが厄介というわけではないのじゃな。」


米国公認会計士齊藤事務所 (www.saikos.com, info@saikos.com):齊藤幸喜

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