会計相談室
2015年3月30日 13:00:00
内部監査とはなんじゃ?
「よう、譲矢(ゆずりや)さん、内部監査という名前を先日友達から聞いたんじゃが、一体何なんじゃ?」会社経営者の鬣(たてがみ)は会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称ゆずけん譲謙)に聞いた。
「内部監査とは、会社の監査を行う部門です。」
「何、会社の仲間をいろいろと調べるのか?」
「その通りです。先日会社の不正について話したときに16の不正防止策のことにふれましたが、内部監査はそのうちの1つです。」
「そうか、それでは会社にとってはなくてはならないものの1つかもしれないということか。ちょっと内部監査について教えてくれんかの?」
「承知しました。内部監査に従事する人を内部監査人と呼びますが、内部監査人は様々な技能を身につけていなければいけません。特に分析的なものの見方と批判的に考える能力、コミュニケーション能力と人間関係管理能力およびインタビュー能力が要求されます。」
「何、そんなに能力がいるのか?」
「そうです。現代の内部監査人の役割は、単なる経理面のコントロールにとどまらず、会社の買収合併や情報システム開発の場面で戦略的にものごとの本質を見抜くことが要求されています。かつて内部監査は監査コミッティが経営者のお目付け役を果たすための重要な助けになっていましたが、最近ではさらに、企業統治をよりよく行うための役割をも担っているのです。最近では増大する内部監査の役割をこなすために最高監査責任者(CAE)が非常に重要となってきています。最高監査責任者は監査コミッティと上級経営者からの両方からの尊敬を得られる人でなければなりません。会社を理解し、核となる戦略を理解し、リスクを理解しなければなりません。ビジネス的な判断ができる必要もあります。また、困難な問題に果敢に取り組まなければなりません。」
「そうか、最高監査責任者なんて名前は始めて聞いたし、監査コメットさんも始めて聞いたが、いろいろあるのじゃのう」
「コメットさんではありません。監査コミッティです。監査委員会のことです。さらに最高監査責任者として要求される技術レベルとしては、10年以上の会計事務所でのマネジメント経験、公認会計士(CPA)やCIAレベルの知識経験、強力な監査技術、会計基準の熟知などが言われています。」
「なにCIAというと中央情報局で働いていた経験も必要なのか?」
「すみません、ここでのCIAはCertified Internal Auditorのことで公認内部監査士のことです。」
米国公認会計士齊藤事務所 (SAITO LLP):齊藤幸喜