会計相談室
2012年11月12日 17:00:00
会計数値は、やさいと同じ、新鮮さが命です。
会計数値は、やさいと同じ、新鮮さが命です。
譲謙は、「鬣さん、これで貴社の会計組織は、経営者に役立つ数字を出せるようになりました。ところで、月次の決算は、いつごろ締まっていますか?」鬣は「わしは知らんぞ。恵、いつくらいだ?」「3ヶ月目ぐらいには何とか出せていると思います。」と恵は自信がなさそうに答えました。それを聞いた譲謙は「それは、少々時間がかかりすぎですね。何故、そんなに時間がかかっているのですか?」恵は「はい、まず、あるベンダーからの請求書がくるのが、とても遅くて最終のインプットが遅れてしまうのです。それと社長が出張でいないときが多く、決済ができないものも結構あります。」「鬣さん、今まで会計数値を用いて会議を行ったことはありますか?」「はずかしながら、わしは、会計というものを勉強したことがなくて、会計数値をみてもよくわからんのだ。それで、会計数値を使って会議などしたことはない。」それを聞いて譲謙は、「そうですか?まず、決算ですが、翌月の半ばまでに出せるように工夫してみましょう。それと会計の知識ですが、私が会計の基礎について、これから、時間をかけて手ほどきをしましょう。経営者たるもの会計数値ごとき、ささっと読めるようになる必要があります。
それを聞いて恵が言った。「どうしたら、翌月に、しかも半ばまでに決算が終了できるのですか?」「それは、1対1の対応の原則を平然と普段から行い、ものと金、サービスの動きに合わせてすぐさまインプットするルールを確立することですよ。」「それでは、最近、弊社で導入した1対1対応の原則に不備があるために決算が遅れてしまっているということですか?」「その可能性が高いと思います。まず、その見直しをしてみましょう。
<解説>1対1の対応は、基本的に人(サービス)、もの、または、金が動いたときに帳簿をつけることをいいます。しかしながら、それでも決算が遅れてしまうのは、ものやサービスが動いているのに請求書が相手から届いていないからと言って、帳簿つけ(インプット)を待っているからです。この場合には、相手に請求書を催促するという方法もありますが、請求金額を予測してインプットすることが重要です。会計数値は、やさいと同じで、締めのスピードが遅れれば遅れるほど新鮮さがなくなり、その価値はなくなっていきます。経営者が3ヶ月前の数値をみて現在や将来の意思決定をすることなどは到底できません。
米国公認会計士
斉藤会計事務所
齊藤幸喜