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会計相談室

2015年2月27日 14:00:00

会社の不正はなぜおきるんじゃろう

Inage Hawaii

「譲矢さんやここんとこ企業犯罪は増え続けているということを聞いたんじゃが本当か?」企業経営者の鬣(たてがみ)は、会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称、ゆずけん)におもむろに聞いた。


「その通りです。鬣さん。最近の会計専門誌によると年々数も金額も増加の一途をたどっているようです。特にデータを取り扱う産業で金融関連や政府、健康産業に増えているようです」


「それは、世の中に大変になってきたのう。やっぱりインターネットとかクラウドとかソーシャルネットワークとか、よくわからないものが出てきているからかのう」


「公認不正調査士協会によると平均的な企業で売り上げの5%が不正によって失われているようです。世界規模に換算すると$3.5 trillionだそうです。」


「なに、トリトン。わしは海のトリトンなら知っているぞ。」


「鬣さん、これはトリリオンです。ビリオンの1000倍です。」


「何、想像を絶する金額だな」


「それでは、その調査からの抜粋を述べますね。従業員による職業的上の立場を利用した不正では、平均$140,000の被害が出ています。このタイプの不正は、ほとんどが社内の通報によって発覚しています。また、犯人は初回の犯罪がほとんどで、そのうちの87%が告発されていません。また84%は懲戒解雇されたり何らかの罰を受けたりもしていません。不正は起きてから発覚するまで平均で18か月かかっています。資産の横領不正は、職業的不正の中で最も多く87%を占めます。被害額は平均で$120,000です。財務諸表の改ざん不正は、平均$1Mですが、発生件数は8%です。賄賂や汚職による不正損害額は平均で$250,000です。賄賂や汚職と請求書を用いた不正は50%以上起きています。主に銀行、金融サービス、政府および政府機関や製造業に不正が多く発生しています。一般的にいわれている16の不正防止策のうち、何らかの措置をとっている会社は比較的低い損害ですんでいます。経営者やオーナーの不正の場合には、金額が大きくなり$573,000、中間管理職では$180,000、一般の従業員であれば$60,000です。長期の従業員ほど被害額は大きく10年以上勤務の場合には$229,000、初年度の従業員の場合には$25,000です。不正の77%は、経理、オペレーション、営業、エグゼクティブ、カスタマーサービス、購買部門で起きています。」


「何とかして不正が起きていることをわからないか?」


「以下の兆候が表れるとあやしいと思ってもかまいません。従業員が自分の所得を超えた暮らしぶりをしている、財政的な困難にあっている、仕入先や顧客との行き過ぎた付き合いがある、内部のコントロールを無視した行為がみられる場合です」


米国公認会計士齊藤事務所 (SAITO LLP):齊藤幸喜

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