会計相談室
2014年12月22日 14:00:00
今年もがんばるぞ!
「譲矢謙吉(ゆずりやけんきち)さん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」
「鬣(たてがみ)さん、あけましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします。さて、ここ2年ほどいろいろと経営と会計に関して一緒に勉強してきましたが、いかがですか?」
「うん、おかげさまでわしの会社も大変よくなってきておる。ありがとう。この調子でいきたいものじゃ。」
「それはよかった。さて、今年からのテーマですが、より専門的な会計の勉強を進めていくというのではどうでしょうか?」
「ちょっとわしには難しいんじゃないかのう?」
「もちろん、鬣さんのように一般の方でもわかるように進めていきたいと思っています。」
「そうか、それじゃ頭の体操だと思ってやってみるか。アメリカの会計は全く初心者なのでよろしくな。」
「承知しました。では、1回目は、アメリカの会計基準のお話をしましょう。まず、アメリカの会計基準は、FASBという団体が作っているのをご存知ですか?」
「“なすび??”いったい、それは何だ?アメリカでは“なすび”が会計基準を作っているのか?」
「ファスビです。ファスビは会計士などの専門家や企業などから全く独立した組織です。」
「会計士や会社と全く関係ない組織が会計基準をつくるとは不思議じゃのう。」
「誰から見ても公平な会計基準をつくるためにファスビはできました。また、独立であることと資金があるので最高レベルの会計基準を作ることができます。」
「それはすごいな。だが、わしの会社みたいに小さい会社は、そんな大それたものは必要ないと思うのじゃが、どうだ?」
「鬣さん、その通りです。会計の役割は、複雑そうに見える会社の活動を数値化して単純にわかりやすくすることです。しかしながら、それは時として大変コストのかかることがあります。資金がふんだんにある会社や利害関係者の多い上場会社では、正確な企業の動きを数字で知るためにそのようなコストをかけることはやむを得ないかもしれませんが、上場もしていない中小企業がそのようなことを強いられることはおかしいのではないかと考える方も多くいます。そこで、2012年にPCC(Private Company Council)という委員会が設置されこれらの是正作業に入ったんです。」
「へぇ、それじゃ、アメリカの会計基準は2つあるということですか?」
「アメリカの会計基準はあくまで1つしかありません。PCCとFASBは、全く新しいものを作るのではなく、本来の基準に例外または修正を加えることにしたのです。」
「そうなんだ。ああよかった」
米国公認会計士齊藤事務所 (SAITO LLP):齊藤幸喜