税金相談室
2001年2月20日 23:00:00
予備源泉徴収
Q:銀行から送られてきた年間預金利子の通知書フォーム1099―INTによると、連邦源泉所得税が差し引かれていたことが分かりました。預金利子になぜ税金が掛かったのでしょうか? また、確定申告の際、どのように報告するのですか?
A:ソーシャル・セキュリティー番号(納税者番号)を正しく銀行に報告して開設した預金口座の場合、通常アメリカでは源泉徴収税の対象とならずに利子を受け取ることができます。ところが次のような場合は、源泉徴収税が差し引かれます。
(1) 銀行にソーシャル・セキュリティー番号を届け出なかった場合
(2) 銀行に間違ったソーシャル・セキュリティー番号を届け出た場合
(3) IRS未報告の受取利子がある旨の通知に応答せずに無視した場合
これは予備源泉徴収(Backup Withholding)と呼ばれ、31%の連邦所得税が課されるものです。納税者が自分の所得として預金利子を正しく報告して、所得の申告漏れを回避させるための規定です。
従って預金利子からの連邦税が差し引かれたのは、ソーシャル・セキュリティー番号の届け出に問題があったためと思われます。
31%の予備源泉徴収があるのは、預金利子ばかりではありません。株式配当、独立請負人として受け取る報酬、証券会社や関連代理業者から支払われる株・証券などの譲渡金額、宝くじ、競馬、ギャンブルなどの賞金受け取りに関して、ソーシャル・セキュリティー番号の届け出がないと適用されます。
金融機関などの支払者からフォームW―9(納税者番号証明要求書)の提出を求められた時には、正しいソーシャル・セキュリティー番号を記入の上、サインをしてフォームW―9を返送する必要があります。フォームW―9の提出を怠ると予備源泉徴収が課されます。
予備源泉徴収の対象となった納税者は、フォームW―9を金融機関などの支払者へ提出することにより、予備源泉徴収を停止することができます。
予備源泉超収税は、給与に対する源泉税や予定納税と同等の扱いとなります。予備源泉超収税がある場合は、確定申告書フォーム1040(またはフォーム1040NR)に予備源泉徴収税が記載されているフォーム1099―INTを添付提出して、税金の精算をすることで還付されます。
KPMG特別顧問 米国公認会計士 大島襄