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税金相談室

2007年12月20日 23:00:00

不動産投資信託(REIT)

Inage Hawaii

質問: 不動産投資信託(REIT)の仕組みについて教えてください。 答え:不動産投資信託(Real Estate Investment Trust、略称REIT)は、多くの国民に不動産投資の機会を証券化商品の形で提供すことを目的として、1960年初頭に米国で開発されました。投資家から集めた資金で、専門家が不動産および不動産ローンへの投資運用を行い、賃貸収入や売却益を得て投資家へ配当の形で利益還元する投資形態のことです。小口投資家でも主に商業施設やオフィスビルなどの様々な不動産への投資が可能であり、その配当率は金利の上下に影響されず不動産市場の動きに平行するため、市場好況の最近は投資家にとって比較的安定した収入源を提供しています。米国には、2005年現在300以上の不動産投資信託(REIT)があり、そのうち2/3程度が上場しています。オフィス、工場、ショッピングセンター、住宅、老人ホーム、ヘルスケア、リゾート、ホテルなどに特化し、あるいはこれらを混合所有する収益追求型の投資形態です。 ●不動産投資信託(REIT)の適格条件 不動産投資信託(REIT)は、法人、信託、組合などの組織によって結成されます。初年度に税務申告書フォーム1120-REIT 様式を提出することにより不動産投資信託(REIT)としての選択を行います。不動産投資信託(REIT)となるためには(1)組織条件、(2)所得条件、(3)資産条件を満たす必要があります。 (1) 組織条件 ・ 不動産投資信託(REIT)は内国法人でなければならない(外国組織ではいけない)。 ・ 一人以上の受託者または管理者によって管理されていること。 ・ 出資者持分が譲渡可能な出資証券によって証明されていること。 ・ 出資者の人数が年間335日の間100名以上であること。 (2) 所得条件 ・ 総所得の75%以上が不動産収益で占められていること。不動産収益として不動産賃貸所得、不動産売却益、不動産融資収益、担保貸付収益、一時投資収益が含まれる。 ・ 総所得の95%以上が前項の不動産収益と利子、配当、債券譲渡益などの投資収益で占められていること。 ・ 75%所得条件または95%所得条件のいずれかを満たさない場合でも、その旨を申告書上開示し、恣意的でなく合理的理由があれば、不適格分の税金を納付することによりREIT適格性が維持される。   (3) 資産条件 ・ 各四半期末に総資産の75%以上が不動産資産、現金、預金、売掛金、政府債で構成されていること。 ・ 不動産関連債または政府債以外への投資が総資産に占める割合は、25%未満であること。 ・ REIT子会社債への投資が総資産に占める割合は、20%未満であること。 ・ 政府債とREIT子会社債を以外の債券への投資が総資産に占める割合は5%未満であり、その投資先の株式所有率は10%以下であること。 ・ 資産条件を満たさない場合でも、その旨を申告書上開示し、恣意的でなく合理的理由があれば、6カ月以内に適格資産を除去して、不適格分の税金を納付することによりREIT適格性が維持される。 ●REITに対する課税 REITの適格性を維持するためには、純利益の90%以上を配当金の形で株主投資家(出資者)に分配しなければなりません。配当分配を行えば法人税は課されません。配当分配しなかった部分に対しては通常の法人税が課されます。 ●出資者に対する課税 配当金は全額課税対象となります。キャピタルゲイン分配は出資期間の長短に関係なく長期キャピタルゲイン税率(最高15%の優遇税率)が適用されます。2003年以降、通常利益の分配についても長期キャピタルゲイン優遇税率が適用されます。

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