会計相談室
2010年12月14日 17:00:00
レビューとコンピレーション4
レビューとコンピレーション その4
<Q>弊社では、財務諸表についてコンピレーションとレビューを会計士から受けています。今期よりこれらの基準が大幅に改正されたと聞きましたが、どのような内容ですか?
<A> 会計およびレビュー基準(Statements on Standards for Accounting and Review Services;SSARS) 19号「コンピレーション業務およびレビュー業務」が、AICPA(米国公認会計士協会)より2009年12月に発行されました。当該基準の主な改正点の続きを書きたいと思います。
<会計士の報告書に関する改正点>
会計士はコンピレーションとレビューに報告書(レポート)を発行しなければなりませんが、新しいコンピレーションとレビューレポートには、次のような変更修正がされました。
① 経営者と会計士の責任関係を明確にしました
② レポートのタイトルについて以下の三種類の様式に義務化されました
a) Accountant’s Compilation Report
b) Independent Accountant’s Compilation Report
c) Independent Accountant’s Review Report:レビューではIndependent(独立な)をつけることが義務化されました。
2009年4月に公開された草案からの相違点は次の通りです:
① 限定的な証明業務(Limited assurance)という概念を継続しています。中間的な証明(Moderate assurance)という概念は国際監査証明基準委員会(IAASB)との協調のためでしたが、IAASB自体の結論が未だ出ていないため、この変更はされませんでした。
② 会計士に独立性がない場合にレビュー業務を認めることを検討していましたが、この案に対しては、反対論があまりにも多かったため今回は見送りとなりました。なお、ARSCは財務諸表作成のアドバイスを行う会計士に対して同時にレビューを行うことは引き続き認めています。
<国際統一化プロジェクト>
コンピレーション、レビュー関係の国際統一化プロジェクトは次の通りです:
① 国際コンピレーションおよびレビュー基準 (International Review and Compilation Standards)―ほとんど米国基準と同じになる可能性が高い。今年度末にドラフトを公開予定です。
② SSARS Clarity Project―会計およびレビュー基準のClarity project(明確化作業)は国際統一基準の準備の一環作業です。
2010年12月14日