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会計相談室

2025年3月21日 13:00:00

ヘッジ会計

Inage Hawaii

「譲謙(ゆずけん)さん、ヘッジ会計とは何じゃ?」




「市場価格の変動による損益のブレを最小限にするためにとられる会計処理です。市場価格の変動とは、株式や債券の時価の変動、金利の変動、外国為替の変動、将来の商品価格の変動などがあります。」




「ほう、それらの価格の変動のリスクをどうやって回避するのじゃ?」




「簡単に言うと市場価格と逆の方向へ動く商品を買い、損益が市場価格の変動でぶれてもプラスマイナスの相殺するようにするのです。デリバティブと呼ばれる金融派生商品を用いることが多いです。」




「なんかよくわからないのう。デリバティブとはだいたい何じゃ」




「デリバティブとは金融派生商品ともよばれていますが、株や債券、商品自体ではないのですが、それらから派生して価値が変動する商品です。例えば、先物取引、オプション取引、スワップ取引などがあります。」




「そういえば、うちの会社が金利スワップ取引をすると言っていたが、なんじゃ?」




「想定上の元本を設定して金利支払いについて一定期間のみ固定金利と変動金利を交換する取引です。」




「それで、ヘッジ会計はどういう会計処理をするのじゃ?」




「ヘッジしている資産負債の損益をデリバティブの損益を同じ期間で計上していきます。そこで損益が相殺されていくことになります。」


「どんな場合にヘッジ会計は適用できるのじゃ?」


「様々な文書化が求められます。リスクは何なのか、どのような手段でリスクを回避するのか、文書化が必要です。ヘッジ取引の目的、手段、有効性を明確にしておくことが必要です。ヘッジについては有効性があるかどうかを継続的にチェックする必要があります。一般的に80%-125%の範囲であれば高い有効性があると認識されます。」


「完璧にリスクが回避されてヘッジがされることはないのか?」


「100%リスク回避でヘッジされると想定される場合には、ショートカット法という簡素化した有効性評価の方法が認められます。この場合には定量的な数字での有効性評価を要求されません。」


「大変勉強になった。ありがとう。」


米国公認会計士齊藤事務所(Saito LLP):齊藤幸喜  (www.saitollp.com, info@saitollp.com)

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