会計相談室
2017年3月27日 13:00:00
ブランド戦略
「鬣(たてがみ)さん、自分の会社のブランドというものを意識したことがありますか?」
「ブランドか、会社のロゴのことだろう?わしは、ロゴなんて正直言ってどうでもよいと思っとる。そもそも譲謙(ゆずけん)さん、ブランンドというものは、会社にとって必要なものか?」
会社経営者の鬣は会計コンサルタントの譲矢譲吉(ゆずりやけんきち、通称、譲謙)に尋ねた。
「ブランドは特定のものに対して特別な認識や期待を人の心の中に創り出していくプロセスです。ブランドは会社にとってビジネスの一部分であるというよりもビジネスそのものです。また、ロゴやキャッチフレーズはブランドの一部ではありますが、それがすべてではありません。ブランドは小さなことの繰り返しがすごく大切で、大きなイベントを一回限り行うことでは創り出せません。」
「何か難しいのぉ。それで何かいいことでもあるのか?」
「ブランドは鬣さんの会社の強いところや核となる能力を表すことになります。また、マーケットで自分の会社を際立たせることができるようになります。さらに競業他社から差別化することができ、顧客が鬣さんの会社を指名して選ぶ理由にもなります。」
「そうか。そんなによいことがあるのか。それじゃ、ブランド創りにいこう。ところで、どうすればブランドは作れるのじゃ?」「まず鬣さんが自分の会社を知ることです。例えば会社のミッション、理念、会社は何に価値を見出しているのか?会社はどのようなサービスや商品を提供しているのかなどです。」
「そうか、何を売っているのかも重要じゃが、まず、理念をしっかりもたなければならないのじゃな?」
「次に鬣さんの会社の差別化を図っているのは何かです。差別化を図るには、その差別化されたサービスや商品は本物でなければなりません。また、顧客に対しては意味のあるものでなければなりません。」
「うちは不動産業だが地域に根差した差別化したサービスを提供しとるぞ。」
「そして、鬣さんのお客様をよく理解しなければなりません。」
「お客様の理解?なんじゃそれは?」
「年齢、職業、学歴、地域、年収、思考などです。」
「ふーん、そこまではわからないな。」
「それらがわかったら、今度は以上のことをすべて総合してお客様のニーズや願望に応えていきます。」
「何となくわかってきたぞ。それから、どうするのじゃ?」
「その次はブランドロイヤリティを築くことです。」
「ブランドロイヤリティ?なんじゃそれは?」
「例えば、レストランの例で説明しますと、人は気に入ってよく行くレストランのことは友達に言いますし、インスタグラムやフェイスブックにも上げるでしょう。そして、お友達にも行くことを勧めたりします。それはフリーのマーケテイングや紹介をしてもらっていることと全く同じなのです。」
「そうか、そんな効果もあったんじゃな。」
米国公認会計士齊藤事務所 (www.saitollp.com, info@saitollp.com):齊藤幸喜