会計相談室
2013年2月5日 14:00:00
バランスシート 2 バランスシートの指標
「鬣(たてがみ)さん、続けてバランスシートの重要な指標を見ていきましょう。まず、会社にとって最も重要な財産であるの現金からです。現金は、自分の純資産とほぼ近いことが理想です。自分の純資産とは、資本金と未処分利益の合計です。貴社ではどうなっていますか?」譲謙(ゆずけん)は鬣に聞いた。
鬣は「ふーん、現金が$100で純資産が$60+$80で$140だ。」
「その通りです。ここでは、売掛金も現金と同じと考えると現金の合計は$100+$20で$120と考えられます。ほぼ、現金と純資産が近いので、このバランスシートは正しいものと推定できます。次に自己資本比率を計算してみましょう。自己資本比率は、自己資本の総資本に占める割合をいいます。自己資本とは先ほどの純資産です。総資本は自己資本と他人資本(=借金)の合計です。この比率が高いほど会社の貯金が多いことを示しています。」
「ほほう、そうすると、さきほどの純資産の$140を総資産とやらの借金($10+$50)と純資産$140の合計$200で割ったものか?70%となるな?」
「その通りです。70%とは非常に高い水準です。自己資本が充実していると言えます。」
「次に流動比率です。流動比率は、流動資産と流動負債の比率をいいます。これにより、財務ポジションが分かります。もしも1未満であれば、会社はかなり資金繰りに困っていることを意味します。」
「なるほど、流動資産$150を流動負債$10で割るのだな。それでは15だ。」
「流動比率が4以上となるとかなり資金は安定していることになります。これまでの指標を総合評価すると、鬣さんの会社は、大変の財務体質が強いといえると思います。
現金 $100 短期借入金 $10
売掛金 $20 流動負債合計 $10
棚卸資産 $30 長期借入金 $50
流動資産合計 $150 資本金 $60
固定資産 $50 未処分利益 $80
資産合計 $200 負債資本合計 $200
<解説>謙譲は、現金が純資産とほぼ近いことが望ましいと言っていましたが、それでは現金はどれくらいあれば安心なのでしょうか?これは、年間の経費の3年分と言われることがあります。3年分などは、そう簡単に貯まるものではありませんが、これだけ現金があれば、3年売上げがなくても会社は継続することができ、その間に必ず次の勝機につなげることができることになります。
齊藤幸喜