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税金相談室

2007年3月18日 22:00:00

ソーシャル・セキュリティー番号と個人納税者番号(ITIN)

Inage Hawaii

質問:ソーシャル・セキュリティー番号と個人納税者番号(ITIN)はどんな違いがありますか?


答え:ソーシャル・セキュリティー番号と個人納税者番号(ITIN)の違いを検討します。


● ソーシャル・セキュリティー番号

ソーシャル・セキュリティー(Social Security)とは、アメリカ連邦政府の社会保障制度のことで、当制度には老齢退職年金保険、遺族保険、障害保険、メディケア医療保険などが含まれます。アメリカ国民一人ひとりに割り当てられた9桁からなるソーシャル・セキュリティー(SS)番号は、生涯にわたって同一番号を使い続けます。アメリカで働いて給与や自営業報酬を受け取る人は誰でも、社会保障制度の各種保険料をソーシャル・セキュリティー税とメディケア税の名目で納付する義務があります。


給与所得者は、FICA税として給与が支給されるたびに連邦・州市所得税とともに源泉徴収されます。会社は雇用主分として同額を負担し、従業員分と雇用主分の合計額をIRS(内国歳入庁)宛てに納付します。自営業は、自営業税としてソーシャル・セキュリティー税とメディケア税を自分でIRSへ払い込みます。税率は、FICA税が従業員分7.65%、雇用主分7.65%で合計15.3%、自営業税が15.3%です。転職しても正しく本人勘定に社会保障税がクレジットされるためには、生涯同一のSS番号を使い続ける必要があることは明白です。


SS番号は国民背番号と言えるほど、アメリカではいつでもどこでも無くてはならない番号です。本来は社会保障制度の整理番号であったSS番号は、その後納税者番号として役立つようになりました。雇用、源泉徴収、銀行口座、証券投資、不動産売買など、あらゆる税金関係の取引管理に不可欠です。さらに、学生証、運転免許証、選挙人名簿、陪審員名簿、パスポートなど、あらゆる身分証明目的にも使われています。個人のローン借入れや、返済状況を記録したクレジット・ヒストリーの役割も果たしています。


合法的に就労が許可されたビザでアメリカに滞在する外国人は、必ずSS番号を取得する必要があります。番号を申請するためには、本人が必要書類を持参してソーシャル・セキュリティー・オフィスに出頭しなければなりません。この際に必要な書類は、申請書フォームSS-5、パスポートと有効なビザです。


●個人納税者番号(ITIN)

非就労ビザの場合、SS番号の申請は受け付けられず、取得することはできません。SS番号のかわりに必要なのが、IRSが発行する個人納税者番号(ITIN)です。また、就労ビザの帯同家族の配偶者控除、扶養控除が認められるためには、ITINが必要です。外国(日本)からの直接投資でアメリカの所得を受け取る場合にも、やはりITINを取得しなければなりません。申請者はITINが納税目的に使用されることを申請時に証明することが求められます。納税目的が証明できない申請書は却下されます。ITIN取得は米国内での就労許可を意味せず、ソーシャル・セキュリティー手当の受給資格につながることは決してなく、納税目的以外にはまったく役立ちません。


確定申告書にITINを記入する必要がある場合、ITIN申請書に確定申告書を添付して指定提出先へ提出します。これによりITINが納税目的に使用されることを申請時に証明できます。申請書には身分証明証(パスポート)の認証済みコピーを添付します。以前(2003年まで)は、ITIN番号の申請書と確定申告書の提出時期と提出先はそれぞれ異なっていました。最初にITIN番号を申請して取得した後、次にITIN番号を記入した確定申告書を通常のIRS提出先へ提出する、2ステップを踏んでいました。現在はITIN申請と確定申告書提出を1ステップで行います。次の場合、ITINの申請と確定申告書の提出を同時に行います。

・非居住外国人に課税対象の所得があり、確定申告書フォーム1040NRを提出する場合。

・非居住外国人が税金還付を受け取るため、確定申告書フォーム1040NRの提出をする場合。

・実質的滞在条件により居住外国人とされた納税者が、確定申告書フォーム1040を提出する場合。

・親が子供の扶養控除を取るために、確定申告書フォーム1040、フォーム104NRを提出する場合。

・配偶者控除を取るために確定申告書フォーム1040、または、フォーム104NRを提出する場合。

・非居住外国人の配偶者を居住者扱いにすることにより、夫婦合算申告の選択をして確定申告書フォーム1040の提出をする場合。

・非居住外国人が米国不動産を売却して源泉徴収税の還付請求をするため、確定申告書フォーム1040NRを提出する場合。

・非居住外国人の学生、教授、研究者が日米租税条約の恩典の適用を受けるため、確定申告書フォーム1040NRを提出する場合。


ITINの申請・取得を必要としていて、確定申告書の提出が伴わない場合は、以下の通り米国への投資金額をIRSへ提示する必要があります。

・日本在住の日本人が米国銀行に預金口座を開設する場合、預金額を示す書類。

・日本在住の日本人が米国投資からの利子、配当、使用料などを受け取る際、日米租税条約による低減税率の恩典を受ける場合、銀行、証券会社などの金融機関等に実際に払い込んである投資金額を示す書類。

・非居住外国人が米国不動産を売却に際し、源泉徴収税の減免措置の適用を受ける場合、フォーム8288A(源泉徴収票)。

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