会計相談室
2021年5月28日 14:00:00
コロナ禍のリモート勤務のホームオフィス費用は個人税申告書から控除できるか?
「譲謙(ゆずけん)さん、最近コロナ禍で自宅勤務している従業員から質問があったんじゃが、教えてくれるか?」会社経営者の鬣(たてがみ)がおもむろに会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称、譲謙)に尋ねた。「はい、なんでしょうか?」「そいつが聞いてきたのは、自宅費用を個人税の申告書で引くことができるか、ということじゃ」「確かにリモートワークの方が多いのでたくさんの人が同じ疑問を持っているいるかもしれませんね。残念ながら、現在の連邦税では、従業員は自宅オフィス費用を控除できません。2017年に通った新税法で、それまで可能だった従業員が自費で使った会社のための費用の控除は全く認められなくなりました。しかしながら、自営業者と独立請負人は引き続きホームオフィス費用を引くことができます。またギグエコノミーの方も控除可能です。サイドギグではホームオフィス費用を引けます。また、いくつかの州はホームオフィス費用を控除可能としています」「どこじゃ?」「アラバマ、アーカンサス、カリフォルニア、ハワイ、ミネソタ、ニューヨーク、そしてペンシルバニアです」「自宅費用を引けるとすると条件は何じゃ?」「その場所を定期的に使用していることと仕事専用に使用していることです」「なんじゃそれは?」「ビジネスのメインの場所であることやお客様や顧客と会う場所であるということです。仕事専用に使用しているとは、年間を通して仕事のためだけに使用している場所ということになります」「どこまで、費用は落とせるのじゃ?」「直接費用と間接費用の両方が引けます。例えば、水道光熱費、固定資産税、保険料、管理費、減価償却費、レント、リース、コンピュータモニター、机などです」「控除額の限度はないのか?」「限度は利益までです」「間接費はどうやって按分するのじゃ?」「スクエアフット(SQ)などの広さの比率や部屋数などで按分します」「ちょっと計算するのが面倒そうじゃが、簡単な方法はないのか?」「ありますよ。IRSが認めているシンプルメソッドで1SQ当たり$5で計算してもよいことになっています」「それは簡単でよいな」「しかし、上限が300SQ、$1,500までとなります」「ほかに何かあるか?」「会社の社内パーティや交際接待費での飲食費は従業員への報酬も含めてレストランから購入した場合は、100%控除可能になりました」「それはレストラン業にとっては朗報じゃな、ありがとう」
米国公認会計士齊藤事務所 (www.saitollp.com, info@saikos.com):齊藤幸喜