会計相談室
2014年2月24日 14:00:00
ガラス張りの復習
「譲謙(ゆずけん)さん、前回教えてもらったガラス張り経営がちゃんと動いているかチェックしてくれないか?」鬣(たてがみ)は譲矢謙吉(ゆずりやけんきち)に聞いた。
「前回問題になっていたのは、商品の長期在庫と売掛金の長期不明残高、さらに社内のコミュニケーションでした。」
「あれから、わしは自分の会社を見直してみたところ、1対1対応のやりかたやダブルチェックのやりかたはきちんと規則にしているのだが、どうもちゃんと動いていないようなのだ。だから、こんな問題がでてきたみたいなんだ。何か良い案はないか?」
「そうですね、売掛金については、1対1を行うこと自体を担当部門または担当従業員の評価に直接つなげ、責任関係を明確にする方法が考えられます。そうすると各部門や従業員が真剣に1対1を自然に見るようになると思います。」
「そうか、さっそく、会計システム自体の見直しをやってみよう。それでは長期滞留棚卸資産はどうだ?」
「これは難しい問題です。見込み売り上げやそれに基づく生産予想を見誤ったために生じるのが長期滞留在庫です。これについて、個別の部門や担当者に責任を振る場合には、その売上予想または生産予想を見誤った部門に割り振ることが考えられます。あまった棚卸資産を勇気をもって費用としておとすことが重要です。また、原材料については購入したもの直ちに費用として全てを落としてしまうという方法も考えられます。この方法がもっとも厳しく、キャッシュフローに基づていて、より真剣な売り上げおよび生産予想を組み立てることになります。」
「よし、そのもっとも厳しい方法でいこう。これからは、買った原材料は全て費用にしてみよう。」
「さらに売れ残っている商品の評価ですが、期末は市場で売れる価格を基にして原価を割り出す方法が考えられます。この方法は、財務会計とはかなり異なる可能性がありますが、キャッシュフローベースおよび皆さんに理解できやすい経理処理として有効です。最後にコミュニケーションですが、これは鬣さん、自分で会社の財務状況、たとえば部門別売上金額、費用、や売掛金の滞留状況などを説明し始めましたか?」
「これが、最初、よくわからんのと照れくさかったのがあって大変じゃったが、なんとか始めてみたら、けっこう、最近は慣れてきたよ。」
「それならば、もう少しのところだと思います。」
米国公認会計士齊藤事務所:齊藤幸喜