会計相談室
2019年2月1日 14:00:00
アメリカの会計システム
「譲矢さん、アメリカで人気のある会計システムはなんじゃ?わしの友人が今度アメリカに進出すると言っておるのじゃが、まずはアメリカで最も人気のある会計ソフトを教えてくれと言われたんじゃ」会社経営者の鬣(たてがみ)は会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち)に聞いた。
「アメリカには様々な会計ソフトウエアがありますが、アメリカの中小企業で最も普及している会計ソフトウエアはQuickBooks(クイックブックス)とよばれる会計ソフトウエアです。デスクトップバージョンとインターネットバージョンがあります。どちらとも、現金管理、売掛金管理、買掛金管理、棚卸資産管理、総勘定元帳、給与計算までほとんどの会計業務をこなすことができます。さらに銀行取引と結びつけることができますので、効率的に作業が行えます。
例えば、単に銀行取引のうちキャッシュの入出金をソフトウエアに取り込む作業やその記帳業務を憶えて自ら正しい記帳を行うこともできます。さらに、請求書をメールを使って発行することから、その入金処理まで自動的に行えます。もちろん、給与計算もそれを行うと同時に自動的に記帳して取り込みます。現在普及がすごい速さで進んできているのがインターネットバージョンです。これは購入というよりも月次で使用料を支払って借りているという感覚です。最も安いもので$7/月(約¥800)から使用できます。
アメリカではこのように会計ソフトを始めクラウドコンピューティングが普及しているので、銀行取引をネットバンキングにすれば実質的に日本でアメリカのオペレーションを行うことも可能となっております。事実。アメリカに人を全く置かずに日本でオペレーションをしている会社も存在します。
ただし、現地に全く人がいないとやはり日常業務で支障がでてくるので、現地で経理総務のアウトソーシングを雇い、組み合わせることが一般的です。最近のアメリカ進出の傾向は一定規模になるまでは、固定費となりやすい現地での経理部門にかかるコストを抑えるため、アウトソーシングにまかせ、売上の上昇に注力したり、マーケティングを重視したり、意思決定の迅速化を図る傾向があります。
アメリカに子会社を作った場合、親会社用の連結パッケージを作成しなければならないことが多いのですが、そのためには会計ソフトの選択と運用は非常に重要です。また、最近の決算の傾向としては日本の本社の決算の早期化がアメリカ子会社の経理に大きな影響を与えています。」
「ほう、よーくわかった。ありがとう。」
米国公認会計士齊藤事務所 (www.saikos.com, info@saikos.com):齊藤幸喜