会計相談室
2014年9月2日 13:00:00
わしの会社は筋肉質になったか?
「なぁ譲謙(ゆずけん)さん、わしの会社は筋肉質になったかのぉ?」会社経営者の鬣(たてがみ)は、会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称ゆずけん)に尋ねた。
「どうしたんです。鬣さん?」
「わしはいつも不安なんじゃ。自分が正しいことをしているのかどうか。1年半近く前に筋肉質の話をしたと思うんじゃが、うまくいっているかと思って聞いてみたんじゃ」
「そうですね。それでは次のチェックリストに基づいて1つ1つみてきましょう。①設備は中古品で済むものは中古品で我慢していますか?機械や設備は中古で間に合うならそうするべきです。見栄をはった設備投資は経営効率を下げます。険約が第一です。」
「これはできているぞ。」
「②1年以上キャッシュにならない資産は費用処理していますか?どうしても見込み違いの購入をしてしまうことや契約の慣行上、必要以上の生産をしなければならないことがあります。その場合に余分なものはいさぎよく経費として落としていますか?」
「これも大丈夫じゃ」
「③棚卸資産の実地棚卸は自分で行っていますか?」
「これもやっているぞ。おかげで、売れ残りや破損のあった商品がよくわかるようになったわい。」
④「身の丈以上の設備投資はしていませんか?過度の設備投資は減価償却費(*)という固定費を押し上げるため、注意が必要です。」
「これも大丈夫じゃ、減価償却費は収益に対して十分低くしてあるぞ。」
「⑤管理部門の人員は増えていませんか?」
「1年前から1人も増やしておらん。」
「⑥節約が行き過ぎて社員のやるきをなくしていませんか?」
「これは、ちょっとあるかもしれんな。今後考えんとな。」
「⑦投機は行っていませんか?」
「もちろん、していないぞ。」
「⑧適切な予算をたてていますか?これは費用を増やさない、むしろ下げる予算です。」
「大丈夫だ。」
「⑨必要なもののみ購入して、余分なものは購入していませんか?よく、まとめ買いすると割引があるので、まとめ買いしがちですが、在庫を増やし管理経費を押し上げるので、やってはいけません。」
「たまに総務が余計なものを買ってしまうのじゃが、わしが目を光らせとる。ふむ、こんなにチェック項目があるのか?これは少々わしがあまかったかのう。」
「大丈夫です。鬣さん、合格です!」
注記(*):減価償却費とは固定資産を毎年費用として計上していく場合に使われる費用の名称です。固定資産は購入時に費用として一時にはおとさず、使用する期間で費用としておとすので、このような科目を用います。
米国公認会計士齊藤事務所:齊藤幸喜