会計相談室
2019年11月15日 14:00:00
Gilti Tax and Transition Tax
「譲謙(ゆずけん)さん、最近、ギルティタックスがかかるとか聞いたんじゃが、何かわしは悪いことをしてしまったかのぉ?」「それは日本の会社の株を50%以上持っているのではないですか?」会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称、ゆずけん)は答えた。
「確かにわしは父から譲ってもらった日本の会社の株式を60%ほどもっておる。」
「この税制はトランプ税制の新しい法律で、外国の株式をアメリカ人が合計で50%超保有している場合に課せられます」
「どうやってその税金は計算するんじゃ?」
「簡単にいいますとその外国会社が保有している固定資産の10%を超える税務上の利益に対して税金が課されます。」
「アメリカの個人税率でかかるのか?」
「そうすることもできますし、選択をすれば、法人税の21%を使用することもできます。」
「ふむ、そうか?ところで、所得控除や税額控除はできないのか?」
「50%の所得控除ができます。また、外国税額控除が80%までとれます。」
「日本で高い税金を支払っているのに、また、アメリカで税金を取られるとは納得がいかんな。」
「この税制は税率の低い国に無形資産を移して、所得を移転し税金の支払いをアメリカで少なくしている国内の会社や居住者に課税するものです。したがって、外国で高い税金を支払っている会社や人にはかかりません。」
「そうか、それじゃ、わしにはかからんということか?」
「その通りです。」
「それはよかった。ひと安心じゃ。」
「ところで、ギルティタックスと似ていますが、留保所得みなし配当課税制度をご存知ですか?」
「何じゃ、その長い名前の税金は?」
「1987年から2017年末までに外国で貯めた留保金に対して、みなし配当をしたと考えて課税する制度です。これは一度だけですが2017年か2018年または両方で申告が必要です。」
「何じゃとわしの投資している日本の会社はゆうに5億ぐらいの利益剰余金があるぞ。困ったな。」
「こちらもギルティタックスと同様に所得控除と外国税額控除がとれるので、日本で多額の税金を支払っていた場合には、税金は発生しません。税率は現金等価物相当金額に対しては15.5%、それ以外の資産相当額に対しては8%が課税されます。日本で欠損金が有効利用できず税金が出たとしても分割払いも選択できます。」
「まあ、いずれにせよ、税金がでないなら、いいじゃろ。」
米国公認会計士齊藤事務所 (www.saikos.com, info@saikos.com):齊藤幸喜