top of page

会計相談室

2007年12月18日 15:00:00

内部統制上の欠陥とは

Inage Hawaii

Q: 内部統制上の欠陥とは何のことでしょうか?


<A> 内部統制上の欠陥が生じているのは、経営者や従業員の通常の会社活動のなかで、内部統制の整備(計画あるいはデザイン)や運用(作業)そのものが経営者や従業員の間違いを直ちに発見したり防ぐことができない状態にある場合です。


内部統制の整備状況あるいは計画に欠陥がある場合とは、必要とされる統制の目的が存在しない場合か、内部統制の計画がきちんとたてられていない状態です。このような場合には、内部統制が計画されたように運用されても内部統制上の目的を達成することができません。内部統制の運用状況あるいは作業に欠陥がある場合とは、内部統制が計画された通り運用されていないか、内部統制を運用している人が内部統制を効果的に運用するための権限や能力を持ち合わせていない状態です。


<内部統制の重大な欠陥>

内部統制の重大な欠陥とは、会社が一般に公正妥当と認められた会計基準に従った外部への財務報告を作成する際に、作業、承認、記録、プロセスやレポートを行う能力に対して悪い影響を与える1つ、または複合の内部統制の欠陥であり、無視できるような軽微なレベルを超える間違いを防いだり、発見されたりすることがほとんどできないことです。


<内部統制の重大な欠陥の例>

ある会社が、膨大な量の定型の社内取引を月次ベースで行っています。個々の取引は重大ではなく、主に貸借対照表に関係した取引です。例えば、営業部門から財務部門への資金移動です。通常のマネジメントポリシーでは、月次の社内勘定の残高差額調整と営業部門との残高の突合せを要求しています。


しかしながら、これらの手続を確認してはいません。したがって、全ての残高の差額調整表は直ちに作成されていません。経営者は、月次ベースで多額な残高差額のみを取り出して調査しています。さらに経営者は月次の経費予算差額分析表を作成して資金移動の合理性を評価しています。これらの事実関係のみから、監査人はこの内部統制には、重大な欠陥があると判断するでしょう。


理由は、個々の内部取引は重要ではなく、月次で行われている調査では、重大な間違いは発見すると予想されるため、この欠陥から生じる財務諸表に与えるインパクトは、軽微なレベルを越えていますが、重大なレベルまでは至っていないと考えられます。さらに、この取引は主に貸借対照表に関係しています。しかしながら、月次の調査は、重大なもののみが発見されるように計画されています。内部統制は軽微なレベルを超えるが重大なレベルではない間違いは発見できるようにできていません。


したがって、この内部統制は、軽微なレベルを超えるが重大なレベルではない間違いは起きてもほとんど発見できないか、防ぐこともできないと考えられます。


<内部統制の重大な弱点>

内部統制の重大な弱点とは、1つの重大な欠陥、または複数の重大な欠陥が、決算財務諸表の重大な間違いを防ぐか発見することをほとんどできないことです。


<重大な弱点の例>

ある会社が、膨大な量の社内取引を月次ベースで行っています。内部取引は幅広く、営業部門との内部利益を含んだ棚卸資産の移動や試験研究費の配分を含んでいます。個々の取引は、たびたび多額になります。通常のマネジメントポリシーでは、月次の社内勘定の残高調整と営業部門との残高の突合せを要求しています。


しかしながら、これらの手続を確認してはいません。したがって、全ての残高の差額調整表は直ちに作成されていません。そして、内部勘定の差額はしばしば発生し多額になります。経営者は、内部勘定の大きな差額に対して何ら代替的な手続を採用していません。


これらの事実関係のみから、監査人はこの内部統制には、重大な弱点があると判断するでしょう。理由は、この内部統制の欠陥から生じる財務諸表に与える影響は、合理的に重大だと考えられるからです。なぜならば、個々の内部取引はたびたび重要であり、幅広い取引に及ぶからです。さらに月次で残高差額調整されなかった内部勘定の差額は重大だからです。


これらの間違いは、ほとんど防いだり発見したりすることができません。なぜならば、そのような間違いはたびたび起きており、社内の調査は機能していないからです。内部統制は、適切に整備されていないか運用されていない可能性があります。財務諸表の間違いのインパクトの大きさと起こる可能性の高さの両面からこの内部統制の欠陥は重大な弱点といえます。



米国公認会計士齊藤事務所 (www.saitollp.com, info@saitollp.com):齊藤幸喜


 

bottom of page